バドワイザーとコロナの統合、米司法省が「待った」

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(CNN) ビールの世界大手アンハイザー・ブッシュ・インベブ(ABI)が提案したメキシコの同業グルポ・モデロ買収計画を巡り、米司法省が31日、両社の合併は「米国の消費者にとって良くない」として、買収阻止に乗り出した。ABIは米国で人気のビール「バドワイザー」を、モデロは「コロナ」を製造している。

ABIは既にモデロ株の約半数を保有しており、残る半数を201億ドル(約1.8兆円)で買収する計画だった。これに対して司法省は、ABIによるコロナブランドの買収は強力な競合相手の排除が狙いであり、反トラスト法(米独占禁止法)違反に当たるとして提訴した。

司法省によると、買収が成立した場合、米ビール市場でABIのシェアは約39%から46%に上昇する。2位のミラークアーズのシェア29%を合わせると、800億ドル規模の市場の約4分の3を上位2社が独占することになる。

司法省反トラスト局のビル・ベア局長は同日、「ABIとミラークアーズは毎年のようにビールの値段をつり上げてきた」と述べ、モデロの存在に阻まれて全面的な値上げには踏み切れなかったと指摘。モデロが邪魔になって値上げできないとABIが不満を漏らしていたことを示す文書もあるとして、買収の成立は「米国の消費者にとって良くない」と強調した。

ABIは司法省の提訴について「法律および市場の現状に反している」と述べ、法廷で争う構えを示した。提訴を受け、予定していた3月末の合併完了はできない見通しとなった。

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