ケチャップが出てこないイライラ、MITの新技術で解消
(CNN) 米マサチューセッツ工科大学(MIT)の研究チームが、ケチャップやマヨネーズをほぼ1滴も容器に残すことなく簡単に取り出せるコーティング技術を開発した。
動画共有サイトのユーチューブに公開された動画には、ガラス瓶を傾けただけでケチャップが簡単に滑り出てくる様子が映っている。この映像はケチャップを取り出すために日々悪戦苦闘している米国人の心をとらえ、先週の公開以来、29日までに12万5000回以上再生された。
ケチャップが滑り出てくる秘密はMITのクリパ・バラナシ教授のチームが新開発したコーティング「リキグライド(LiquiGlide)」にある。同チームはもともと発電所の蒸気タービンに水滴が付くのを防ぐ塗装膜開発を目指していたが、学術研究の商業利用を目指してMITが毎年開いている起業コンペで今月、リキグライドが入賞し、脚光を浴びた。
リキグライドの原料は食用成分を合成したもので、毒性はないという。これを食品の容器に吹き付けると、中見が簡単に滑り出てくるようになる。ゼリーやマスタードが入ったプラスチック容器にも応用可能。たとえコーディングをはがして食べたとしても安全性に問題はないとバラナシ教授は話している。
これによって消費者の利便性が高まるだけでなく、リサイクルも容易になり、食品の無駄を減らすこともできると同教授は言う。2年以内に実用化できる見通しで、食品以外にも化粧品の容器などにも応用を見込む。
現在はボトル製造会社と交渉しながら特許を出願し、近夏に新会社を設立予定。最高経営責任者(CEO)にはMIT大学院生が就任する。