タコやエビにも苦痛の感覚、動物福祉法案の保護対象に 英

タコやカニや大型エビにも苦痛の感覚があるとして、動物福祉法案の保護対象に感覚をもつ動物として追加された/Alessandro Rota/Getty Images

2021.11.23 Tue posted at 10:40 JST

(CNN) タコやカニや大型エビにも苦痛の感覚がある――。英政府の審査委員会がそう結論付けたことを受け、英国で審議されている動物福祉法案の保護対象に感覚をもつ動物として追加された。

ロンドン・スクール・オブ・エコノミクスの専門家チームはこうした生物の感覚について調べるため、300件の科学研究を調査して報告書をまとめた。調査の結果、タコやイカのような頭足動物と、カニや大型エビ、ザリガニのような十脚甲殻類は、感覚をもつ存在として扱う必要があると結論付けた。

背骨をもつ脊椎(せきつい)動物は既に、動物福祉法案で感覚をもつ動物に分類されている。

ザック・ゴールドスミス動物福祉相は「十脚甲殻類や頭足動物が苦痛を感じることが、科学的にはっきりした。従って、この法案の対象とすることこそが適切だ」との声明を発表した。

タコやイカのような頭足動物は「非常に強い」感覚を持つという

同法案は英政府が推進する動物福祉のための行動計画の一環。政府の決定について、感覚をもつ動物の福祉を十分に考慮しているかどうかを審査する委員会の設置などが盛り込まれている。

報告書では、ロブスターやカニを生きたままゆでてはならないと指摘。十脚甲殻類や頭足動物を輸送したり殺したりする際の最善とされる方法を盛り込んだ。

こうした動物の感覚については、学習能力や痛み受容器の保有、痛み受容器と脳の特定領域とのつながり、麻酔薬や鎮痛剤への反応、脅威と報酬の機会との間でのバランスの取り方、けがなどから身を守る行動などを調べて測定した。

その結果、頭足動物は「非常に強い」、カニの大部分については「強い」感覚をもつことが証明されたと指摘。イカやロブスターなどについては、それほど強くはないものの、実質的な感覚があると結論付けた。

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