中国新疆当局、住民の生体情報を収集 人権団体報告 

新疆ウイグル自治区でテロ対策の活動に従事する中国軍警察の隊員

2017.12.14 Thu posted at 15:49 JST

香港(CNN) 国際人権団体ヒューマン・ ライツ・ウォッチ(HRW)は14日までに、中国西部・新疆ウイグル自治区の当局が、12~65歳の住民数百万人のDNAサンプルや指紋、虹彩スキャン情報、血液型を収集しているとの報告を発表した。

新疆ウイグル自治区はチベットを除いた場合、漢族が住民の過半数を占めていない中国唯一の地域で、他の地域では経験することがない厳しい管理や監視にさらされている。

当局は4月、同地域のイスラム教徒1000万人を対象に、長いひげを生やしたり公共の場でベールを着用したりすることなどを禁止。これに先立っては、パスポートの提出や車両内でのGPS(全地球測位システム)追跡端末の設置義務付けなど、監視強化のための一連の措置も講じていた。

HRWの中国担当責任者は今回、声明で「DNAを含む全住民の生体データの強制収集は国際的な人権規範に著しく違反している」と指摘した。

中国公安当局や新疆の自治区政府は現時点でコメント要請に応じていない。中国政府は、新疆で民族的または宗教的な差別が行われているとの批判を一貫して否定してきた。

自治区政府のウェブサイトに掲載された文書によれば、今回の新措置の主な目的は、「新疆の人口の真の値を完全かつ正確に確認し、12~65歳の住民の画像や指紋、虹彩スキャン情報、血液型、DNA生体認証情報を収集すること」だとしている。

毛沢東の像の前を通るウイグルの女性=2014年7月、新疆ウイグル自治区カシュガル

こうした情報は戸籍にひも付けられる見込み。この戸籍制度は教育や医療、住宅サービスを受けることができる場所を制限するもので、実質的には多くの人を出生地に縛り付ける形となっている。

HRWの報告によると、新措置は今年2月に施行され、この1年間を通じて新疆全土で導入されてきた。当局の指針はこうした措置について、一部は医療へのアクセスを改善するのが狙いだと説明しつつも、「身元調査のため」DNAや血液型に関するデータが警察に提供される場合もあり得るとしている。

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