ビットコインの次は柴犬印の「Dogecoin」? ファン増加

2014.02.27 Thu posted at 15:13 JST

(CNN) 仮想通貨のビットコインが注目を集める中、柴犬をマスコットにした新しい仮想通貨「Dogecoin(ドージコイン)」が登場し、ファンを増やしている。別荘を売ってまでこのコインを入手しようとする男性も現れた。

ミネソタ州に住む起業家のマット・トンプソン氏(27)は、ドージコイン1億枚と引き換えに、ウィスコンシン州にある別荘を売りに出した。

ドージコインはビットコインのパロディー版としてプログラマーのビリー・マーカス氏が開発し、2013年12月に公開した。冗談からスタートした仮想通貨だったが、ユーザー間の取引で時価総額は6500万ドル(約66億円)を突破し、交流サイトのRedditにはファンの集まるコミュニティーができた。

トンプソン氏は2011年以来のビットコインユーザーで、ドージコインはネットで公開された2日後から売買を始めた。

別荘との交換を思いついたのは、通常の不動産市場で売りに出してから数カ月たっても買い手が現れなかったため。そこで注目を集めようと、ドージコインでの支払いに応じることにしたという。

柴犬をマスコットにした新しい仮想通貨「ドージコイン」のファンが増加している

「(ドージコインを)持ち続けたいと思う理由はいくつもある。事業発展のためにも使えると思う」と話すトンプソン氏は、主にゲーム用アクセサリなどのネット販売を手がける。中国などの国との間で商品を売買できているのはデジタル通貨のおかげだといい、仮想通貨の魅力について「安全で簡単、手数料も最低限で済む」「これまでのところ、補助的な決済手段として非常に役に立っている」と説明する。

仮想通貨に詳しいティモシー・リー氏によれば、数ある仮想通貨の中でビットコインは圧倒的な取引量を誇り、ユーザー数も最も多い。一方、ドージコインは仮想通貨のトップ10には入っているが、ユーザーはビットコインに比べてはるかに少ない。

トンプソン氏が別荘に付けたドージコイン1億枚という値段は、現金に換算すると約13万5000ドル(約1380万円)に相当する。ドージコイン1枚当たりの価値は約0.1セント。これに対してビットコインはピーク時で1枚1200ドル(約12万円)で取引されていた。

売り出し中の別荘

しかしこの通貨のコミュニティー活動は冗談や金銭取引にとどまらない。ロシアで開かれたソチ冬季五輪では、ジャマイカのボブスレーチームやインドのリージュ選手の参加実現のために募金活動を展開し、約3万ドル(約307万円)を集めた。

ドージコイン創設者のマーカス氏は、この通貨の目的はビットコインと張り合うことではないと説明する。「ビットコインという先例がなければドージコインも存在していなかった」「ビットコインが草分けなら、ドージコインは仮想通貨の世界を案内してくれる親しみやすい存在だ」

トンプソン氏の別荘を買いたいという相手はまだ現れていない。それでもコミュニティーでは注目され、「別荘についていろいろ尋ねられた。効果は上々だと思う」と同氏は話している。

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