仏で相次ぐ仮想通貨関係者の襲撃、経営者の娘が拉致逃れる 犯行の様子がカメラに
仮想通貨企業経営者の娘、辛くも拉致逃れる 仏
(CNN) フランスの首都パリで13日午前、仮想通貨(暗号資産)企業の経営者の娘と孫が武装集団に拉致されそうになり、居合わせた通行人の助けで阻止される事件があった。大胆な白昼の犯行をカメラが捉えていた。
事件を受け、被害女性の父親が所有する仮想通貨企業ペイミウムは、国内の仮想通貨産業への「保護」を要請した。
事件はパリ11区で発生。フランスでは急成長中の仮想通貨産業の関係者を狙った暴力事件が相次いでおり、ここ数カ月で2回、2023年以降で少なくとも5回、襲撃が起きている。
警察の情報筋が仏AFP通信に語ったところによると、覆面姿の男4人が女性とそのパートナー、子どもを襲った。
映像には、襲撃犯3人が白いバンから飛び出す様子が映っている。女性とパートナーは激しく抵抗しており、助けを求める悲鳴が聞こえる。目撃者の1人は仏BFMTVに対し、襲撃犯は「若い女性を力ずくで」車内に引きずり込もうとしていたと証言した。
女性が覆面姿の男1人から銃を奪い、路上へ投げ捨てる様子も映っている。情報筋がBFMTVに語ったところによると、後に現場から回収された銃は模造品と判明した。
悲鳴は通行人の注意を引き、そのうち1人が消火器を持って介入。目撃者はBFMTVに対し「通行人が止まれ、と言っているのが見えた。男性1人が消火器を手に通りに出て、これらの人物を追い払おうとしていた」と振り返った。
最終的に襲撃犯らは諦め、3人はバンに飛び乗り、4人目の容疑者が運転する車で逃走した。
AFPによると、映像に映る女性はフランスの仮想通貨取引プラットフォームであるペイミウムの最高経営責任者(CEO)兼共同創業者の娘という。
AFPによると、フランスのルタイヨ内相は14日、仮想通貨業界の起業家と会合を開き、一連の襲撃を踏まえ治安について協議する方針を発表した。
CNNの理解では、これまでのところ今回の事件に関連して逮捕者は出ていない。パリ検察はCNNに対し、捜査に着手したことを明らかにした。