中道2派が連立で合意、米政権の関税で景気後退の懸念も ドイツ

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次期首相に就任する見込みのメルツCDU党首/Annegret Hilse/Reuters

次期首相に就任する見込みのメルツCDU党首/Annegret Hilse/Reuters

(CNN) ドイツの中道右派「キリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)」を率いるメルツCDU党首は9日、ベルリンで記者会見を開き、同国の2大中道政党による新たな連立合意を発表した。数時間前に新政権樹立への合意が成立したと発表されたばかりだったが、メルツ氏は力強く楽観的な演説で新体制への決意を語った。

欧州最大の経済大国であるドイツが景気後退の瀬戸際に立たされる中、CDU・CSUと中道左派「社会民主党(SPD)」との間では合意への圧力が高まっていた。背景には、トランプ米政権による大規模な関税措置が世界的な混乱を引き起こしていることがある。

記者会見には、バイエルン州の姉妹政党であるCSUのゼーダー党首、SPDのエスケン共同党首とクリングバイル共同党首も同席した。

メルツ氏は「将来の政府、将来の連立は、ドイツを安定させ、安全を確保し、経済的にも再び強くするために改革と投資を行う」とし、欧州はドイツを再び頼れる存在として見ることができるようになると語った。

さらに、ウクライナでの戦争は収束せず、ロシアのプーチン大統領は戦争終結に応じる姿勢を見せていないと指摘。米政権の関税政策については、世界経済の不確実性を一段と高めており、まさにリアルタイムで反応を目にしている状況だと述べた。

新連立合意の内容として、ドイツ国籍取得に必要な最短滞在期間を現行の3年から5年以上に延長する方針を明らかにした。また、スウェーデン型の志願兵制度の導入を含め、対外・国内の安全保障政策の強化、防衛費の大幅増額にも言及した。

今年2月の連邦選挙でCDUは第1党となったものの、単独過半数には届かず、右翼「ドイツのための選択肢(AfD)」が第2党に躍進、支持基盤を倍増させた。これ以降、CDU・CSUとSPDは連立交渉を続けてきた。SPDは昨年11月に崩壊した3党連立の一角を担っていた。

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