スペイン首都、レンタル電動キックボードの認可取り消し 「市民の安全を保証できない」
(CNN) スペインの首都マドリードの当局は5日、電動キックボードのレンタル会社3社の営業許可を取り消すと発表した。これにより、レンタル電動キックボードはマドリードから姿を消すことになる。
市議会の声明によると、3社は2023年5月に付与された許可に定められた条件を満たさなかった。具体的には「市全体でのサービス提供の欠如、保険の補償の欠如、車両が禁止区域を走行または駐車するのを防ぐ技術の欠如などが含まれる」という。
マドリードで営業許可を得ていたのはライム、ドット、ティアの3社で、各社とも2000台の提供が認められていた。今回の決定により、同市では10月からレンタル電動キックボードを利用できなくなるという。
各社は許可取り消しの手続きが開始されてから20日以内であれば決定に対する異議を申し立てることができる。
ドットの広報担当者は9日、声明で「現在、電動キックボードのシェアリングサービスの状況を評価しており、決定を下す前にマドリード当局との会議を待っている」と説明。
便利な移動サービスを維持するため適切に対処できるよう建設的な対話を期待していると付け加えた。
ライムの広報担当者は「この予想外の動きに失望している」としながらも、安全かつ手頃で持続可能な交通手段を提供する方法を模索し、サービスを継続できるよう市議会との協議を継続することを期待していると述べた。
マドリード市長は、今後電動キックボードの営業許可は認めないとしている。「市議会が定めた市民の最高水準の安全を保証する要件を業界が満たせないことが明らかになったため」だという。
市役所のウェブサイトによると、市内での個人用電動キックボードは引き続き合法だ。
レンタル電動キックボードに禁止措置を講じたのはマドリードが初めてではない。
オーストラリアのメルボルン市当局は8月、数百件に上る苦情や事故の報告を受け、安全上の懸念を理由に電動キックボードのレンタル禁止に踏み切った。
フランスの首都パリでは2023年4月、電動キックボードレンタルの是非を問う住民投票で禁止が支持され、運営会社との契約が期限切れとなる8月末に禁止された。