ウクライナ、計画停電が日常に 刻々と迫る厳冬期は状況悪化の懸念も

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停電中に発電機を操作するウクライナ首都キーウのレストラン従業員/Ivana Kottasova/CNN

停電中に発電機を操作するウクライナ首都キーウのレストラン従業員/Ivana Kottasova/CNN

今では小さな屋台から巨大なショッピングモールまで、大半の企業が自家発電機を所有し、その大きな音は停電の代名詞となっている。

キーウ在住のバリスタ、マクシム・ホルブチェンコさん(25)は、発電機のおかげで停電が起きるたびにカフェを閉めなくて済むと話した。

26日のキーウは暑く、カフェの温度計は34度を示していた。発電機ではカフェの通常のサービスに必要な電力を十分に賄えず、エアコンとコーヒーマシンの一部を止めなければならないという。

ロシアは2022年2月の全面侵攻以来、ウクライナのエネルギー網を標的にしてきた。今年に入り、火力発電所、水力発電所、エネルギー貯蔵施設といった発電施設が特に狙われている。

戦争犯罪の捜査・訴追についてウクライナに助言を行う国際NGO「グローバル・ライツ・コンプライアンス」の法律専門家、オルハ・マツキフ氏によれば、これはロシア軍によるウクライナを人的および財政的に枯渇させ、経済の減速を狙った戦術だという。「電力不足で企業が閉鎖されれば経済は発展できない」と指摘している。

ウクライナ政府は、エネルギー網を攻撃から守るための強化対策に務めてきた。まずは破片から守るためにエネルギー網を覆い、次にある程度の直撃にも耐えられる鉄筋コンクリート製の防御壁を導入してきた。

シュミハリ首相は27日、これらの対策が功を奏していると述べた。その前日、ロシア軍がウクライナの変電所を攻撃し、数十発のミサイルが命中したが、防護対策によって被害はごくわずかな設備を失うだけにとどまったという。

ウクライナは現在、大型発電所を攻撃から守るため、サッカー場3つ分の巨大な防護構造物の実験を行っている。シュミハリ氏によれば、それらは極めて高額で、経済的な実現可能性は不透明だ。変電所6カ所の防護費用は1880億フリブナ(約6570億円)に上り、現段階で出資される見込みはないうえ、国家予算にも含まれていない状況だという。

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