アルジャジーラ、ガザ南部でカメラマン死亡と発表 重傷のまま数時間放置
エルサレム(CNN) カタールの衛星テレビ局アルジャジーラは、同局のカメラマン、サーメル・アブダッカ氏がパレスチナ自治区ガザ地区南部ハンユニスでの取材中、イスラエル国防軍(IDF)の攻撃で重傷を負い、5時間放置された末に死亡したと発表した。
同じ現場で同局のガザ支局長、ワエル・ダハドゥ氏も負傷したが、病院へ運ばれて一命を取り留めたという。
ダハドゥ氏は10月末、ガザ地区中部の難民キャンプへの攻撃で妻と娘、息子、孫を亡くしている。
ハンユニスでは15日早朝、学校と民家に砲撃があり、少なくとも17人の死者と数十人の負傷者が出た。アブダッカ氏らは、現場の学校で民間防衛チームの救助活動を取材していて攻撃を受けた。ドローン(無人機)攻撃との情報もある。ガザ内務省によると、民間防衛チームのメンバー3人も死亡した。
ハンユニスでは16日、アブダッカ氏の遺体が埋葬され、数百人の住民らが哀悼に集まった。
アルジャジーラは声明で、イスラエルが組織的に同局のジャーナリストや家族を狙い、殺害していると主張。国際社会に対し、ただちにイスラエル政府とIDFの責任を追及するよう呼び掛けた。
一方、IDFの報道官はCNNの取材に対し、ジャーナリストを意図的に攻撃したことはなく、今後もあり得ないと主張。同時に、戦闘地域にとどまることの危険性を強調した。
IDFはその後、新たな声明の中で、アブダッカ氏の負傷が判明して救急車出動の要請があったため、安全なルートを通行する許可を出していたと説明した。
ところが救急車は別のルートを選び、道路の損傷に遭遇。IDFは復旧作業を助けるため、ただちにブルドーザーを送り込んだが、作業が完了した時にはすでに遅かったと主張している。