依然残るF16問題、ウクライナ軍パイロットへの訓練は今月開始の予定

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ポルトガル空軍とルーマニア空軍のF16戦闘機=7月4日、リトアニアのシャウレイ空軍基地の駐機場/John Thys/AFP via Getty Images

ポルトガル空軍とルーマニア空軍のF16戦闘機=7月4日、リトアニアのシャウレイ空軍基地の駐機場/John Thys/AFP via Getty Images

ワシントン(CNN) 米国は依然として、欧州の当局者らがウクライナ軍のパイロットを対象とした訓練の最終計画を提出するのを待っている。 F16戦闘機の操縦に関する当該の訓練計画は、その後米国による承認を経て実際に開始されることになる。事情に詳しい複数の当局者がCNNに明らかにした。

訓練は今月始まる予定だと、ウクライナのゼレンスキー大統領や欧州の当局者らは公式に発表していた。しかしバイデン米大統領が訓練への支持を表明してから2カ月が経過してもなお、詳細を詰めなくてはならない重要な点を数多く残しているのが実情だ。

米国は依然としてF16に特化した機器や物資の供与を承認する必要がある。これにはフライトシミュレーターや訓練マニュアルなどが含まれる。しかし当局者らによれば、バイデン政権はまだ欧州側から訓練の最終計画を受け取っておらず、承認の対象が存在しない状態となっている。

またどの国が訓練プログラム用のF16を供与するのかも不透明なままだ。訓練終了後、ウクライナ本国へF16を供与する国がどこになるのかも判然としない。F16のウクライナへの供与には、米国による別個の承認が必要になる。

米国防当局者はCNNに対し、同国が自国のパイロットを派遣してウクライナ兵の訓練を支援するのかどうかはまだ判断中だと説明。ただ訓練の最終計画が承認されるまではいかなる決定も下されないとした。

デンマーク国防省の報道官は、同国が既に正式な計画を米国へ提出したかどうかについて直接のコメントを控えた。しかしCNNに提供した1ページの訓練概要によれば、その目的はパイロット並びに地上の要員を6カ月間訓練することとある。訓練地はデンマークの戦闘機基地をはじめ多くの地点を設定している。

オランダ国防省の報道官は、現時点で更新情報はないとした。同国のオロングレン国防相は先月、CNNに対し、訓練はデンマークで8月に始まると説明。その後「持続可能な形で」ルーマニアの訓練拠点に引き継がれると述べた。

訓練プログラムは北大西洋条約機構(NATO)に加盟する11カ国が支持を表明しているが、実施には米国の正式な承認が必要になる。F16に米国の技術が使用されているのがその理由だ。

実際に訓練を行う国はデンマークとルーマニアになるとみられるが、オランダ、ベルギー、カナダ、ルクセンブルク、ノルウェー、ポーランド、ポルトガル、スウェーデン、英国がこれを支援する予定。複数の当局者が明らかにしている。しかし日程や訓練地、訓練項目の長さといった詳細については「まだ詰める必要がある」と、米国家安全保障会議(NSC)のカービー戦略広報担当調整官が先週明らかにしていた。

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