バイデン氏次男、司法取引成立せず 驚きの展開から分かるポイントと現状

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バイデン氏次男が出廷、まさかの司法取引不成立

(CNN) 米国のバイデン大統領の次男、ハンター・バイデン氏が26日、東部デラウェア州の連邦地裁に出廷した。ハンター氏は当初、検察との司法取引で連邦税未払いの罪を認め、物議を醸した捜査は終わりに近づく見通しだった。

ところが3時間を超える公判で司法取引は成立せず、ハンター氏は現時点で苦境に陥っている。疑惑には今後も一段の光が当たり、議会共和党はハンター氏の行動に対する独自の調査を進める構えだ。

ハンター氏は税金未納の罪2件の有罪を認めることを条件に実刑を回避する意向だった。この司法取引により、銃の違法購入の罪に関する問題も解決するとみられていた。

しかしマリエレン・ノレイカ判事は、司法取引を受け入れる用意はできていないと宣言。これに対しハンター氏は自身の無罪を主張。司法取引は成立していない。

以下に26日の公判で起きたことと今後の展開をまとめる。

外国でのロビー活動巡る質問で公判は停滞

公判は通例の流れで始まった。

ハンター氏は宣誓を行い、ノレイカ判事に有罪を認めたいと告げた。トランプ前大統領から任命され、上院民主党により支持された同判事はハンター氏に対し、一連の手続き上の質問を行った。これらは基本的に、あらゆる罪状認否の公判で問われる内容だった。

しかしこの後、双方の弁護士に税未払いを巡る司法取引の詳細について尋ねたノレイカ判事は、当事者の間で重大な問題における見解の不一致があるのに気がついた。取引によってハンター氏は外国でのロビー活動に関する外国代理人登録法(FARA法)への違反に対する訴追からも保護されるのかとの質問を受け、司法省は保護されないと回答。これに対しハンター氏側の弁護団は保護されることを想定していた。

ノレイカ判事が言及した「意見の一致」が双方になければ、司法取引は成立しない。ハンター氏の弁護士を務めるクリス・クラーク氏は、ここで短い休廷を要求。検察側と協議する意向を示した。休廷後、同氏は司法省の立場を受け入れると発表。ハンター氏には依然としてFARA法違反で訴追されるリスクがあるとした。この問題に関しては、まだ捜査が行われている段階だ。

銃購入巡る司法取引の合憲性に疑問

一方、銃の違法購入での司法取引を巡り、ノレイカ判事は「合憲性についての懸念」があると述べた。三権分立の原則に違反する可能性があるためだという。

裁判所の文書によるとハンター氏は2018年、自身が当時違法薬物の使用者であると認識しながら銃1丁を購入した。こうした購入は違法であり、重罪に相当する。ノレイカ判事によれば、銃に関する起訴を解決する今回の司法取引は「簡単なもの」ではなく、「普通と異なる条項」を含むという。

ノレイカ氏は税の未払いと銃購入に関する司法取引について、銃の方に関しては自身の承認が必要だが、税に関しては承認あるいは却下する権限を持っていないと指摘した。

今回判事に提出された合意書では、ハンター氏が取引の条件に違反したかどうかで議論になったとき、判事が事実確認を行うとされている。だが、これは判事が決定権を持たない取引に判事を引き込む形になり、結果的に司法省による起訴を判事が阻止する可能性があるとの見方を示した。これが実現すれば行政機関の一機能に司法が影響を及ぼす形になる。

ハンター氏の弁護士は、本件が政治問題化されている現状に触れ、取引の条件履行について議論が生じた場合はノレイカ判事のような中立的な調停者による対応を望んでいると述べた。これに対し同判事は、それが法的に機能し得るやり方なのか即断できないとし、「今日の時点では、当該の司法取引を受け入れられない」と述べた。

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