外国人が次々に退避、スーダン国民の窮状は深まる

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スーダン首都ハルツームから立ち上る黒煙。停戦が破られ、国軍とRSFの戦いが再開した/Marwan Ali/AP

スーダン首都ハルツームから立ち上る黒煙。停戦が破られ、国軍とRSFの戦いが再開した/Marwan Ali/AP

「とどまって餓えるか、流れ弾で死ぬか」

外国政府が自国民の退避を急ぐ一方で、数百万人のスーダン国民は、何日も自宅に閉じ込められ、どうすれば無事に脱出できるかも分からない状況に追い込まれている。

ハルツーム在住のスーダン系米国人ジャーナリスト、イスマイル・クシュクシュさんは、子どもや外国人を含む住民29人と共に、大統領宮殿近くにある建物の中で何日間も閉じ込められていた。

「電気も水もないまま5日間。給水タンクに残ったわずかな水を使っている。配給の食料は底を突きかけている。大統領宮殿から2ブロックしか離れていないこの建物を脱出することはできない。衝突が始まって以来、戦闘の中心地」。クシュクシュさんはCNNにショートメールでそう伝えた。一行はその後、無事に脱出できた。

SNSでは水や医薬品を入手できる場所や携帯電話を充電できる場所、ハルツームから脱出できる方法などに関する情報交換が行われている。多くは公共交通機関でエジプトへ脱出するルートについて助言を求めている。

30代の女性は、親族と共にハルツームをバスで脱出してエジプトに脱出できたとCNNに証言。RSFの予測がつかないこと、首都の状況が悪化していることから出国を決めたと振り返った。

自宅には発電機があり、この女性が住む地区には水道の供給もあったものの、どのくらい持ちこたえられるかは分からず、いつ近隣で戦闘が起きるかは分からなかった。

「このままとどまって飢えのリスクにさらされるか、それとも流れ弾に当たって死ぬかという状況だった。私たちはリスクを取ることにした」。そう語る女性は、食料も水もなくなって自宅で死亡する人たちの話を聞いたといい、「私たちは自宅に隠れてじっとしているカモのような状態だった」と言い添えた。

乳児2人と深刻な健康状態にある高齢女性1人を含む一行は、エジプトまで行ってくれるというバス運転手を見つけ、21日朝に出発して22日夕、国境に到着した。途中、スーダン軍には1度止められただけだったが、エジプトのビザを持たない複数の男性は入国に苦労した。新生児を含め、パスポートを所持していなかった数人は入国できなかった

「彼らは置き去りにしなければならなかった。私たちは今も、書類を整えて国境を越えさせる方法を模索している」と女性は話している。

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