ロシア民間軍事会社トップ、「反逆罪」と国防省を非難
(CNN) ロシアの民間軍事会社「ワグネル」のトップ、エフゲニー・プリゴジン氏は21日、テレグラムに投稿された録音の中で、ロシア国防省の指導部がワグネルを破滅させようと試みているとして「反逆の罪」だと非難した。
プリゴジン氏は録音の中で、ロシア軍参謀本部や国防省がワグネルに対して弾薬を渡さない、あるいは空輸も行わないと指示したと主張している。
プリゴジン氏は、こうした直接的な対立はワグネルを破壊しようとする試み以外の何物でもないと指摘。ウクライナ東部の要衝バフムートのために毎日何百人もの戦闘員を失っている状況では反逆罪と同等に扱われる可能性があると語った。
プリゴジン氏は、供給不足が続いているために、ワグネルの戦闘員の死者数が多いことについても不満気に語った。
CNNは、国防省や弾薬不足に関するプリゴジン氏の主張について、独自に確認が取れていない。
プリゴジン氏は20日にも、ワグネルや他の部隊の死者が2倍に上ると主張し、その理由として、倉庫にある弾薬を使うことが許されず弾薬不足に陥っているからだと述べていた。
公的な役職には就いていないプリゴジン氏だが、ロシア軍司令官の一部を公然と批判している。国防省とは長年にわたる確執があり、ウクライナでの敗北や後退を現在の指導部の責任だと公言している。
プリゴジン氏は長年にわたり目立たず活動していたが、ここ数カ月、ウクライナでの失敗についてロシア軍当局者を公然と批判することで注目が集まっている。ワグネルはウクライナ東部での戦闘に数千人の戦闘員を派遣しているが、その多くは囚人を徴集した兵士だ。
米政府の推計では、ワグネルの死傷者数は3万人を超え、そのうち9000人がバフムートで死亡したとみられる。