手術必要な乳児、裁判所が後見に ワクチン接種者からの輸血を両親が拒否 NZ

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輸血を拒む両親のために手術ができない乳児がニュージーランド高裁の判断で一時的に後見人の保護下に置かれた/Fiona Goodall/Getty Images

輸血を拒む両親のために手術ができない乳児がニュージーランド高裁の判断で一時的に後見人の保護下に置かれた/Fiona Goodall/Getty Images

(CNN) ニュージーランドで救命のために心臓手術を必要とする生後6カ月の男の子が、新型コロナウイルスワクチンを接種した人からの輸血を拒む両親のために手術ができず、高裁の判断で一時的に後見人の保護下に置かれた。

ニュージーランド高裁のイアン・ゴールト裁判官は7日、男の子が手術から回復するまで、裁判所が後見となって乳児を保護すると言い渡した。

さらに、手術と輸血に関する問題の監督者として医師2人を任命した。

男の子は心臓に先天性の疾患があり、救命のためには心臓手術を必要とする。しかし両親が、新型コロナのワクチンを接種していない人から提供された血液しか使わせないと主張したことで、手術が遅れていた。

ワクチンをめぐっては、世界で接種が始まった2年前から偽情報が拡散。両親は「ワクチンを接種した人の血中にはスパイクたんぱく質が存在し、そうしたたんぱく質が輸血に関連した予想外の死をもたらす」と主張していた。

両親は当初、家族が選んだ人物からの血液提供を求めていたが、輸血団体はワクチン接種者と未接種者の区別はしていないとしてこの求めに応じなかった。

男の子の治療と輸血について両親と医師の間で合意できなかったことから、ニュージーランド保健省は11月、児童保護の法律に基づき、治療のみを目的として一時的に男の子の後見人となる医師を任命するよう、裁判所に求めた。

両親側は弁護士を通じ、判決を受けて選択肢を検討したが、上訴する時間はないと判断したと説明。「手術まで自分たちの子どもと静かな時を過ごし、手術の間を通じて息子を支えることを優先する」とした。

ニュージーランドの新型コロナワクチン接種率は比較的高い。12歳以上の約90%が2回の接種を受け、対象となる大人の70%以上は1回目の追加接種を受けている。

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