ヘルソン州市民約1万5000人が移転 親ロシア派州政府
(CNN) ウクライナ南部ヘルソン州のロシアが任命した政権幹部のキリル・ストレモソフ氏は20日、ロシアが占領する地域の市民約1万5000人が前線から「移転」したと明らかにした。
「すでに約1万5000人の住民がヘルソン州の指導者の勧告に耳を傾け、ドニプロ川の左岸に移動した」とストレモソフ氏はSNS「テレグラム」への投稿で述べた。
ヘルソン州の親ロシア派は南方戦線でのウクライナ軍の反攻を懸念し、ドニプロ川を越えてロシア領内へ最大6万人の住民を移動させることを計画している。
ウクライナ政府はストレモソフ氏らが「組織移転」と呼ぶものを「宣伝ショー」と断じ、ロシアが住民を「怯(おび)えさせ」ようとしていると非難している。
ストレモソフ氏はテレグラムへの別の投稿で、ドニプロ川を渡る住民のために携帯すべきものについての指針を示した。そのリストには現金、身分証明書、携帯電話、個人用の衛生用品、快適な衣服、2、3日分の飲食物、医薬品などの応急手当てキットが含まれていた。
同氏によると、移転する人はみな登録を済ませ、割り当てられたグループで行動しなければならないという。
ウクライナのヘルソン州議会の副議長ユーリイ・ソボレフスキー氏は20日、ヘルソン州の占領地域のロシア軍は移動した住民の家を乗っ取る計画だと主張した。