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「解放を祈っていた」 ウクライナ軍が奪還した街、現地の様子は CNN EXCLUSIVE

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ロシア軍の「司令部」に作られていた即席のベッド/Rebecca Wright/CNN

ロシア軍の「司令部」に作られていた即席のベッド/Rebecca Wright/CNN

奪還にむけた戦闘は厳しかったかと尋ねると、榴弾(りゅうだん)砲を牽引(けんいん)していた戦車の操縦手は「それほどでも」と答えた。

ロシア部隊の多くが逃げ延びるために車両を犠牲にしていったため、ウクライナ軍は北東部の戦闘で大量の兵器を入手した。

打ち捨てられたロシア司令部

ウクライナ軍によると、イジュームの戦闘で決戦の舞台となった場所のひとつが、ロシア軍の基地として使われていた元学校だった。ロシア軍は建物周辺を塹壕(ざんごう)や土嚢(どのう)、装甲車両で固めていた。

いまや建物は損壊し、赤れんがやラジエーターの山には割れたガラスや崩壊した屋根の木材が混じっている。建物の隣には、ロシア軍の「Z」マークをつけた赤いトラックの車体が横倒しになっている。

さらに道を進むと、部隊が必死で守ろうとした建物がある。使われなくなった工場の地下シェルターに設置されたロシア軍の司令部だ。

薄暗い地下室には多種多様な学校の机が並べられ、階級を記した白いラベルが貼られていた。防空部隊、砲兵部隊、諜報(ちょうほう)部隊、保安部隊の司令官と並んで、「当直士官」といった低い階級も見受けられる。近くではウクライナ部隊が、手りゅう弾のついた仕掛け線など、ロシア部隊の隠れ家を守るために残された偽装爆弾がないか調査を続けている。

司令部の向かいにある殺風景なコンクリートの部屋は寝泊まり用で、れんがや石油缶を積み上げた上に古ぼけた木製のドアをのせて即席のベッドが作られていた。部隊は慌てて撤退したのだろう、衣類や歯磨き粉、書類が床やベッドの上に散乱したままだった。

あるウクライナ兵がCNNに緑色の回転ダイヤル式の電話を見せてくれた。ロシア部隊の置き土産だ。「ロシアのテクノロジーさ!」と、バカにしたように英語で言った。

地上には、ロシア兵が残していった弾薬の山もあった。

武器を失った上、屈辱的な敗走劇が複数の動画に収められてソーシャルメディアに拡散されている中、大勢のロシア兵がウクライナ軍に戦争捕虜として捕らえられたと軍関係者はCNNに語った。

ウクライナ兵は勝利に酔いしれながら街中を車で走り回り、新たに手に入れた戦車やトラックから手を振った。そうした車両の多くには、はっきり「Z」の文字が描かれていた。

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