南部反攻を進めるウクライナ軍、北東部ハルキウでもロシアに反撃
(CNN) ウクライナのゼレンスキー大統領はこのほど、北東部ハルキウ州から「良いニュース」が届いたと明らかにした。同州ではこれに先立ち、予想外の反攻を受けたロシア軍が守勢に回ることを余儀なくされ、親ロシア派の当局者が避難を呼び掛ける事態となっていた。
ハルキウ州クプヤンシクのロシアが据えた市政トップ、ビタリー・ガンチェフ氏はウクライナ軍が迫る中、女性や子どもに避難を呼び掛けた。
クプヤンシクはドンバス地方の西にある都市で、ハルキウ市の東約110キロに位置する。ガンチェフ氏によると、クプヤンシクは絶え間なくウクライナ軍のロケット攻撃を浴びている状況だという。
ウクライナ当局者は北東部の攻勢についてコメントを控えているものの、CNNが位置情報を確認した動画からは、ウクライナ軍が7日、クプヤンシクから50キロほどの距離の町に入ったことがうかがえる。ハルキウ州の情勢についてはロシア当局者も沈黙を保っている。
ハルキウ州での作戦に先立ち、南部ではヘルソン市付近で戦闘が激化していた。
複数のウクライナ当局者やクリミア半島を移動する装備品をとらえた映像によると、ここ数週間、ロシアはヘルソン州でのウクライナ軍の反攻に備え、一部の兵士を南部に転戦させて兵力増強を図っていた。
戦争が冬に向かうなか、今後は南部戦線が主戦域の一つになるとみられるが、ウクライナがハルキウでも攻勢をかけたことで、ロシア軍は遠く離れた2カ所に分かれての対応を余儀なくされる可能性がある。