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ゼレンスキー氏、先端兵器の運用訓練に数カ月必要との説に反論 CNN EXCLUSIVE

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CNNの取材に答えるウクライナのゼレンスキー大統領/CNN

CNNの取材に答えるウクライナのゼレンスキー大統領/CNN

(CNN) ウクライナのゼレンスキー大統領はCNNとの単独インタビューで、ウクライナ軍が他国から先端兵器を受け取る前に相当な訓練が必要だとする米国や北大西洋条約機構(NATO)当局者の懸念の声に反論した。ウクライナ軍は早急に武器を必要としており、使い方は迅速に習得できるとしている。

ゼレンスキー氏は15日のCNNとのインタビューで、「新型戦車の使用法の訓練に数カ月かかるという信じがたい話を聞いた。それならソ連時代の戦車を供与してほしい」と言及。「我々はどんなタイプの装備品であれ使う準備ができているが、迅速に引き渡してもらう必要がある。我々には新装備の使い方を習得する能力がある。ただし、早急な供与が必要だ」と訴えた。

ゼレンスキー氏は首都キーウ(キエフ)の大統領府でインタビューに応じ、バイデン米政権による8億ドル(約1000億円)規模の新たな安全保障支援策を含め、米国などから提供された兵器がロシアの侵攻に抵抗する助けになっていると語った。一方で、さらなる支援が必要だとも訴え、ウクライナの訓練教官がすぐに軍に最新情報を伝授できるだろうとの見通しを示した。

「一部の国からは、技術的にみて我々の兵士は準備が整っていないので、迅速な武器供与はしたくないと何度も言われた。だが、そうした装備品を担当する教官、我々の教官が武器の使用法を伝授するはずだ。例えば、航空機なら2週間でパイロットの準備ができる。カミカゼドローンであれ、火砲やりゅう弾砲、多連装ロケットシステムであれ、我々には非常に優秀な人材がいる。NATO諸国との訓練も行っている」

ゼレンスキー氏とCNNのインタビューは、首都キーウ奪取に失敗したロシアが戦争の新局面に向け準備をする中で行われた。ロシア軍はマリウポリを含むウクライナの東部と南部で攻勢を強化する構えだが、ウクライナ軍は17日、マリウポリでの投降を要求するロシアの最後通告をはねつけた。

ゼレンスキー氏はインタビューで、ウクライナ東部の領土をロシアに譲り渡すつもりはなく、戦う用意があると表明。また、世界はロシアのプーチン大統領が戦術核兵器を使用する可能性に備えるべきだと警鐘を鳴らした。

包囲下にあるマリウポリの状況については、市内に残るウクライナ軍がロシアに投降することはないと述べ、ロシアが人々を無傷で脱出させるとは思えないとの見方を示した。

「ロシアは投降すれば軍の脱出を許可する用意があると言っているが、軍が投降することはない。軍が投降を望んでいないため、複雑かつ悲劇的な状況になっている。兵士らを無傷で脱出させる合意をロシアと結んだところで、その後ロシアは兵士らを射殺するだろう。だからロシアのことは誰も信用していない」

ゼレンスキー氏はまた、ウクライナとしてはマリウポリから負傷者を運び出したかったが、ロシア軍がそれを許可しなかったとも述べた。

マリウポリの状況は厳しく、市の大部分はロシアの砲撃で破壊された。標的となった民間インフラには、産科病院や最大1300人が避難していた劇場も含まれる。

多くの人は避難したが、市内やその周辺には推定10万人が残る。そうした地域の大部分はロシアの支配下にあると報じられている。

ゼレンスキー氏は欧州諸国に対し、ロシア産石油の輸入を停止するよう要請。ウクライナのパイプラインを通るロシア産燃料について聞かれると、「その問題については理解している」と語った。

まず石油、続けて天然ガスの禁輸措置を科すよう求め、「我々が結んでいるのはトランジット(通過)契約だ。そのため、欧州とロシアが天然ガスの禁輸措置で合意する必要がある。そうすればトランジットはなくなる」と述べた。

さらに、ロシア軍は欧州諸国にウクライナに頼ることはできないと示唆する目的で、ウクライナのガスパイプラインを攻撃していると指摘した。

「これがロシアの狙いだ。彼らはウクライナには安全なガス供給は不可能だという印象を与えるため、こうした行動に出ている」としたうえで、欧州諸国との協議で天然ガスの禁輸措置を求めたことに言及。「金銭的な損失を被る用意はある。我々にとって最も重要なのは金銭ではない。国民が最重要だ」と語った。

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