全住民2500万人に検査命令、軍も動員 ロックダウン続く中国・上海

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新型コロナ検査の列に並ぶ上海の住民ら/CHINE NOUVELLE/SIPA/Shutterstock

新型コロナ検査の列に並ぶ上海の住民ら/CHINE NOUVELLE/SIPA/Shutterstock

(CNN) 中国の金融中心地・上海で、新型コロナウイルスの症例数が過去最高を記録している。「ゼロコロナ」政策を掲げる中国にとって、上海での失敗は許されない。しかし厳格なコロナ撲滅戦略に固執し続けることは、大きな代償を伴いかねない状況だ。

中国共産党は3日、ロックダウン(都市封鎖)が行われている上海に兵士数千人を派遣して、2500万人の住民全員に義務付けている検査の応援に当たらせると発表した。

住民全員を対象とするPCR検査は4日から開始。3日に上海で報告された症例数は、過去最高の9000例を超えた。

感染が急拡大する中で、当局は徹底した検査やロックダウンなどの対策を強化。幼い子どもでも陽性と判定されれば親から引き離す徹底した隔離政策は物議をかもしている。

国営メディアによると、過去数日で3万人以上の医師が上海に派遣された。人民解放軍も3日、軍の医療従事者2000人あまりを上海に配備したと伝えた。

上海当局は、感染拡大を抑えながら、厳格な対策のために不便な生活を強いられている住民の不満の高まりへの対応を迫られている。

住民はSNSへの投稿を通じ、食品などを入手するのが難しいと訴え続けている。上海に住むというユーザーは、「油も米も何もない。ひどすぎる。朝6時にアラームを設定したけれど、米はまだ入手できない」と書き込んだ。

厳格な隔離措置についても、満員状態で人手が足りない上海の病院の小児病棟を写したとされる写真が出回ったことで、改めて憤りの声が強まった。

これを受けて上海公衆衛生臨床センターは声明を発表し、写真に写っているのはコロナに感染した子どもの隔離病棟ではないとしながらも、同病院は通常の小児科病棟を外来・救急棟に移し、小児科の医師を増やしていると説明した。

それでも、乳幼児を含めて陽性と判定された患者全員を施設に隔離しなければならないという政策そのものが、保護者を苦しめている。

2歳の娘が隔離されたという母親はCNNの取材に対し、娘は3月26日に陽性と診断されて29日にクリニックに送られ、以後は、健康状態は良好と説明されるだけで、娘の様子がほとんど分からないと訴えた。

「この病気に高度な医療は必要ない。娘に必要なのは、付き添って面倒を見てもらうことだけ」。母親は中国のSNS大手微博(ウェイボー)にそう書き込んだ。

この母親は、その後自身も感染が確認され、上海公衆衛生臨床センターに入って4日に娘と再会することができたという。

上海当局は4日の記者会見で、感染した子どもの親も陽性になった場合は、一緒に滞在して経過観察や治療を受けることができると発表した。ただし、7歳未満の子どもは引き続き上海公衆衛生臨床センターに入院して小児科治療を受ける必要があるとした。

こうした厳格な対策がいつ緩和されるのかは、まだ見通せない状況にある。

今回の規制で物流が滞り、輸送の遅れも長引く中、上海の経済は大きな打撃を受けている。上海は中国の金融中心地であり、上海の港のコンテナ取扱量は世界一多い。長引くロックダウンで長期的な影響が出ることも懸念される。

しかし上海の症例数はまだ減少に転じておらず、中国北部の吉林省も同じような状況になりつつある。吉林省では3月から感染防止対策が厳格化されていた。

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