ANALYSIS

ウクライナ、制空権の戦いでいつまで持ちこたえられるか

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ウクライナの空軍基地で合同軍事演習を行うポーランド軍のF16戦闘機(2018年)/GENYA SAVILOV/AFP/AFP/Getty Images

ウクライナの空軍基地で合同軍事演習を行うポーランド軍のF16戦闘機(2018年)/GENYA SAVILOV/AFP/AFP/Getty Images

(CNN) ロシアのプーチン大統領がウクライナ侵攻以来最も驚いた点は、ロシアがまだウクライナ領空の制空権を握れていないことだろう。

紙のデータを見る限り、ロシアの軍事力からすれば地上での早期勝利に加え、空軍が素早く制空権を確保するはずだった。飛行機の数ではロシアが1391機に対してウクライナは132機、ヘリコプターではロシアが948機に対してウクライナは55機だ。そうした戦力があってもウクライナ側の抵抗を抑えるのに必要な空域の支配権を握れていない。軍事予算で見れば、ロシアは458億ドル(約5兆4000億円)とウクライナの10倍近い。

元空軍将校から政府関係者に至るまで専門家から聞こえてくる意見は、ロシアの失敗が3つの組み合わせによるものだということだ。一つはロシア側の準備不足、一つはウクライナが諜報(ちょうほう)に基づき賢明な資源の使い方をしていること、最後の一つは西側からウクライナへの狙いを絞った武器の供与だ。

エストニア軍の元司令官リホ・テラス氏は「私の知る限り、彼ら(ウクライナ軍)はロシアが破壊する前に飛行機を飛行場から移動させて、空軍の大部分を温存できた。これは攻撃前の諜報によるものだ」と語った。

英ロンドン大学キングスカレッジのフリーマン航空宇宙研究所の研究員で元英空軍将校のソフィー・アントロバス氏は、戦争の初期段階でウクライナが賢い対応をしたため、同国は今その恩恵にあずかっていると指摘する。

同氏は「ウクライナがロシアの航空機を撃ち落とせる全ての資源を投入しなかったことは賢い。これにより、ロシアが安全に関して誤信した可能性があり、ウクライナは味方からの補強が届く中で空域の防御を保ち続けている」と語る。

こうした補強にはS300対空システム、スティンガー、ジャベリンミサイルなどが含まれ、ウクライナ軍がこれらを使用している。こうしたミサイルシステムの存在はウクライナ軍の劇的な性能向上を示すものだ。

米下院外交委員会の幹部、マイケル・マコール議員はCNNに対し、ロシア製のS300は米国がウクライナに送ったスティンガーミサイルよりも「より高高度の」能力を持っていると指摘する。

「S300はある種我々のパトリオットミサイルのようなもので、高高度の防空システムだ。これらが国内にあり、さらに多くが運び込まれるという状況は非常に効果的だ」(同氏)

確かにこうしたミサイルシステムは効果的かもしれないが、ウクライナが空と地上でロシア軍の進軍をいつまで阻止できるかには疑問が残る。

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