欧州各国のウクライナへの武器供与相次ぐ、独も政策転換

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記者会見に臨むポルトガルのコスタ首相=25日/Horacio Villalobos/Corbis/Getty Images

記者会見に臨むポルトガルのコスタ首相=25日/Horacio Villalobos/Corbis/Getty Images

(CNN) ロシア軍の侵攻を受け欧州各国が相次いでウクライナへの武器供与に踏み込む動きが加速してきた。

チェコとオランダは26日に、ポルトガルは25日に軍事支援を発表。この3カ国はいずれも北大西洋条約機構(NATO)の加盟国。チェコのフィアラ首相は850万米ドル(約9億8600万円)超相当の武器をウクライナ側が望む場所に送る方針を表明。

機関銃、軽機関銃、狙撃用ライフル銃、短銃や相応の弾薬類が含まれ、「ウクライナを助けるために我々が出来る全てのことをする」と強調した。オランダ政府は対空ミサイル「スティンガー」200基の供与を予定。他の防御用装備品も提供し、ウクライナへ搬送中とした。

ポルトガルのコスタ首相はウクライナ軍の地上部隊へ武器を送ると説明。民主国家の自決権の自由を踏みにじる戦争であるとも主張した。

一方、ドイツのショルツ首相は26日、計1000の対戦車兵器やスティンガーミサイル500基の供与をツイッター上で発表。ドイツは以前、ウクライナ政府が求めた防御兵器の調達を拒んでいたが、政策の転換に踏み切った。

ドイツの現連立政権は、危機に直面する国や地域への兵器譲渡を一切認めない規制がある武器輸出政策で合意していた。この政策は第2次世界大戦を踏まえた歴史的な教訓を反映している。

ショルツ首相の発表は、ポーランドのモラウィエツキ首相、リトアニアのナウセーダ大統領との会談を受けた。首相は「ロシアの攻撃は変革の契機となるものであり、プーチン(大統領)の侵略軍に対する防衛で我々がウクライナを出来る限り支援するのは責務である」と訴えた。

また、米国防総省高官は26日、ウクライナへの防衛支援に伴う装備品が過去数日間内に現地に到着したことを明らかにした。バイデン政権は25日、3億5000万ドル相当の追加の防衛支援を発表していた。

米国務省は翌日の声明で、この支援にはウクライナが装甲車両や防空面、ほかの脅威を及ぼす兵器に対処し得る致死能力を持つ装備品が盛り込まれるとした。

国防総省高官は記者団との電話会見で、ウクライナ向けの装備品の詳しい種類には触れなかったが、対戦車ミサイル「ジャベリン」には言及。米国は過去数週間、スティンガーミサイルをウクライナへ引き渡したこともわかっている。

高官はこれら装備品のウクライナ側への引き渡し方法は説明しなかった。ウクライナでは制空権が争われており、米国がウクライナ内などへ航空機を飛ばせる状況にはない。

ただ、ポーランドを含めた諸国は輸送車を使って弾薬をウクライナへ運んだことを公言しており、現在の戦況を踏まえた場合、地上の交通手段が唯一、実現可能な選択肢の一つとなっている。

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