軍が実権握ったスーダン、今起きていること

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道路を封鎖するためにタイヤに火をつける人々=スーダン首都ハルツーム/AFP/Getty Images

道路を封鎖するためにタイヤに火をつける人々=スーダン首都ハルツーム/AFP/Getty Images

(CNN) スーダン軍が25日、軍民共同の暫定政府を解散させて緊急事態を宣言し、同国は危機に陥った。

2019年のバシル前大統領追放後に続いた平和的な権力移行の望みは、この動きでつぶされる形となった。

今起きていることのポイントをまとめた。

スーダンで何が起きているのか

スーダンは19年以降、軍と文民の不安定な連合によって統治されてきたが、軍が25日に実権を握った。

ハムドク首相夫妻は拘束され、非公表の場所に身柄を移された。複数の閣僚や政府当局者も逮捕された。

軍トップのアブデル・ファタ・ブルハン氏が統治評議会と暫定政権を解散した。同氏はテレビで「独立した公正な代表政府」が23年に選挙が行われるまで権限を掌握すると発表した。

ブルハン氏は、主権評議会の文民メンバーと共同運営する合意が過去2年間にわたる衝突になり、国の「平和と統一を脅かす」ことになったとも述べた。

ブルハン氏は憲法の一部の条項が停止され、州知事が排除されたとも述べた。

今回の争いはどのように始まったのか

バシル前大統領が追放された19年のクーデターで、スーダン軍上層部は権力移行を監督する実権を握り、暫定軍事評議会を立ち上げた。

だがこの評議会は文民統治を求める民主化運動からの強い反発を受けた。1週間のこう着状態の末、両者は同国を「今後3年、またはそれより少し長い期間」統治する統治評議会を形成することで合意した。

19年7月に結ばれたこの合意では、軍事評議会が最初の21カ月間の統治を担い、その後18カ月は文民政権が統治することとなった。

クーデターは予想外だったのか

完全に予想外だったということはない。ハムドク首相の側近であるアダム・ヒレイカ氏はCNNに対し、首相は軍の計画に気づいていて、政府を解散する圧力を受けていたと語った。

ヒレイカ氏は24日夕、現在の情勢を議論している首相のもとを訪れ、首相がブルハン氏と会ったばかりだったと語る。

情報省は25日、ハムドク首相が権力奪取を支持する声明を出すように圧力を受けていると発表。だが、首相は民主化を求めて抗議する人々に対し、通りに出て平和的な抗議を行うように希望しているとも伝えた。

なぜこんな事態になったのか

ハムドク首相を含む一部の政治家が当初の暫定合意に従って11月17日までに完全な民選意向を進めようとした後、緊張関係は高まった。

先月、バシル前大統領に忠誠を誓う部隊による軍のクーデターが失敗。関係した大半の将校が逮捕されると状況はエスカレートした。

軍指導部は、その後数週間、「自由と変化宣言勢力」の改革を要求し、閣僚の入れ替えを迫った。文民指導者らは軍指導部による権限掌握にあたると批判した。

今月21日には多数の群衆が通りに出て、19年の暫定合意を尊重することを要求し、選挙に基づく政府を求める声を上げた。一方、文民政府に反対する軍支持のデモも発生した。

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