中国製ワクチンを使う国で感染拡大、必ずしもワクチンの失敗を意味しない理由(下)

シノバック製ワクチンの1回目の接種を受けるインドネシアのジョコ大統領=1月13日、ジャカルタ/Indonesian Presidency/Handout/Anadolu Agency/Getty Images

シノバック製ワクチンの1回目の接種を受けるインドネシアのジョコ大統領=1月13日、ジャカルタ/Indonesian Presidency/Handout/Anadolu Agency/Getty Images

それでも、中国製ワクチンの接種は何もしないよりは良い。そう語るのは米調査会社ユーラシアグループの世界保健プログラムを率いるスコット・ローゼンスタイン氏だ。

「中国製ワクチンしか選択肢がない地域では、それを接種するのが依然として最善の判断だ」(ローゼンスタイン氏)

同氏はまた、中国製ワクチンへの批判を受け、より有効なワクチンが入手可能になるまで人々が待つようになる可能性もあると懸念を示す。

政治はどう絡むのか

中国政府は世界各地にワクチンを輸出する際、シノファームとシノバックのワクチンを「中国ワクチン」と宣伝し、米国や英国では見られないような形でワクチンと政府を結びつけてきた。

たとえばWHOがシノバック製を承認し、シノファーム製の有効性に関する追加データが6月に公表された後、国営新華社通信は「中国製ワクチンの世界への恩恵、最新の証拠で再確認」との見出しで社説を掲載した。

シノバックは民間企業だが(シノファームは国営企業)、こうしたワクチンが成功を収めれば、中国共産党にも良い影響がある。ただ、中国のワクチンは「中国製」とひとまとめにされる場合が多いため、有効性に疑念が生じればその全てに影響が生じ、党も打撃を受ける。

シノバックもシノファームも広範な治験データを公開していないことから、有効性を疑問視する声は今後も続くかもしれない。

ローゼンスタイン氏は「あのデータに関してせいぜい言えるのは、これらのワクチンに問題がないように見えるということだ」「今はある意味、半ば目をつむって飛んでいる状況にある。絶対的な基準となるのは無作為試験であり、我々はこれらのワクチンに関してそれほど情報を持っていないからだ」と語る。

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