候補者の暗殺、昨年9月以降88人に メキシコ中間選挙

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アルマ・ロサ・バラーガン氏はグアナフアト州モロレオンの市長選に立候補していた/Armando Solis/AP

アルマ・ロサ・バラーガン氏はグアナフアト州モロレオンの市長選に立候補していた/Armando Solis/AP

メキシコの治安問題に詳しい専門家のアナ・マリア・サラザール氏によると、多くの場合、小規模な犯罪組織や大規模な麻薬密売組織が、自分たちの支持する候補者を当選させるために、気に入らない候補者を標的にしていると思われる。

さらに、政治家や候補者本人が犯罪組織とつながっていることもある。

犯罪組織は候補者への資金提供や支援を行っており、そうした関係から手を引こうとした候補者は脅迫されたり殺害されたりするという。

メキシコのアンドレス・マヌエル・ロペスオブラドール大統領は3年前に就任して以来、麻薬犯罪組織と全面対決していたそれまでの戦略を転換。麻薬組織にメンバーが加わらないよう、長期的な根本原因である貧困問題への取り組みを優先してきた。

だがサラザール氏は、候補者が殺害される一因はこの戦略にあると推測、犯罪組織が実質的に野放し状態になり、「存在する権利」を与えられていると指摘する。

政府に対しては何十年も前から、候補者を守るための対策が不十分だと批判する声が上がっており、その状況はロペスオブラドール大統領になっても変わらない。大統領は最近の記者会見で、「候補者にとっては困難な時だ」「我々は引き続き候補者を守り続けなければならない」と語った。

しかし政府の対策が不十分な一因は、問題の深刻さを認識していないためだとの批判もある。

政府の公式統計では、殺害された政治家や候補者は現時点で14人と、コンサルティング会社の推計よりも大幅に少ない。

メキシコでは未解決の犯罪が90%を上回る。投票日が迫る中、さらに多くの候補者が殺害されるのではないかという懸念は強まっている。

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