町襲撃で外国人含む数十人死亡、多数が安否不明 モザンビーク

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襲撃はモザンビーク北部の町パルマで発生した/Google Maps

襲撃はモザンビーク北部の町パルマで発生した/Google Maps

モザンビーク・マプト(CNN) アフリカ南部モザンビーク北部の町パルマが武装勢力に襲撃された事件で、同国国防治安部隊(FDS)の報道官は28日、数十人の死者が出ていることを明らかにした。死傷者には地元住民や同地で働く外国人労働者が含まれるとしているが、国籍は明らかにしなかった。

CNNが取材した複数の関係者によると、パルマは24日、過激派組織「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」系とみられる武装勢力に襲撃された。FDSによれば、死者のうち7人は、ホテルを脱出して車列に合流しようとしたところで襲撃された。

複数の関係者によると、26日午後には多数の外国人労働者や地元住民を乗せた約17台の車列がパルマを離れた。パルマ近郊にはフランスのエネルギー大手トタルが運営する大規模な液化天然ガスプラントがある。

現地の治安関係者によれば、この車列が襲撃されて7台のみが無事に脱出できたが、車内にいた数人が死傷した。残る車両や乗車していた人たちの安否は確認できていない。

別の関係者は、車列のうち少なくとも8台が依然として行方不明になっていると話し、行方不明者の数は、少なく見積もっても50人とした。

車列はパルマ北郊にあるホテルを出発し、約15キロ離れたアフンギ半島にあるトタルの天然ガスプロジェクト現場に向かったが、南アフリカの軍事企業が同地に配備したヘリコプターによる上空からの援護は受けられなかった。

救助艇で近くの海岸に到達しようとする作戦も、地元の武装勢力「シャバブ」に船舶が襲撃されたため、失敗に終わった。同勢力はソマリアを拠点とする同名の武装勢力とは無関係。パルマを脱出できた人たちは、約200キロ南のペンバにフェリーで到着した。この中には外国人約120人が含まれる。

FDSは28日の声明で、「テロリストの犯罪行為を阻止するために作戦戦略を強化した」としている。

現地の治安関係者によると、パルマでは市内の複数の銀行支店が爆弾で襲撃された。国際人権団体ヒューマン・ライツ・ウォッチなどが目撃者の話として伝えたところでは、武装勢力はパルマ市内の住宅や路上にいる地元住民を襲撃し、殺害していた。

パルマの住民や労働者の多くは連絡が取れない状況が続いている。

在モザンビーク米国大使館は、パルマ市内にいた米国人1人は無事に避難したと述べ、「パルマ地域の惨状を引き続き注視する」とした。

ペンバの港で電話がつながらなくなった家族を待つ女性は、「どこにいるのかも、どんな状況にあるのかも分からず、連絡を取ることもできない」と不安を募らせていあ。

ペンバ空港には、首都マプトへ向かう便に乗るために、パルマを脱出した人たちを乗せたバス少なくとも2台が到着した。

トタルは27日、1月に武装勢力の襲撃を受けて中断していたアフンギ半島での操業再開を見送ると発表した。

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