先住民保護の専門家、矢の攻撃受け死亡 ブラジル・アマゾン
(CNN) ブラジルの国立先住民保護財団(FUNAI)は13日までに、同国北部ロンドニア州セリンゲイラス地区で孤立した先住民集団がいるとの情報の確認に当たっていた先住民保護の専門家が弓の攻撃を胸部に受け、死亡したと報告した。
この先住民集団が自分たちの生存を脅かす敵と間違えて矢を放った可能性が指摘されている。
亡くなったのはヒエリ・フランシスカト氏(56)で、同州で一般社会と接触のない先住民集団の土地を保護する支援チームの調整役を務めていた。攻撃を受けた現場は先住民ウルエウワウワウの土地の境界線上だった。
同氏の調査に同行した警官は地元紙に現場ではこれまでもめ事が多かったと証言。発見した足跡をたどって、フランシスカト氏が先頭に立って丘を登り始めた際、矢が飛んできて胸に当たったという。
同氏は叫び声を上げながらも矢を抜き出し、警官らの方向へ50〜60メートル走ってきて倒れた。その後、警察車両へ運び病院へ連れて行ったが、助からなかったという。
フランシスカト氏は同財団に30年以上、勤務。先住民の権利擁護の活動を進める国際団体によると、同氏はセリンゲイラス地区の保護区でここ数カ月間、牧場主らが周囲の森林の大半を破壊するなどの活動を広げていることを受け、現地に入っていたという。
同団体の幹部は、フランシスカト氏は過去数十年間、アマゾン地域の熱帯雨林の破壊と闘ってきた最高の保護者だったとしのんだ。