サウジ記者殺害、被告8人に禁錮刑の判決
(CNN) 2018年10月にトルコのサウジアラビア総領事館内でサウジ人記者のジャマル・カショギ氏が殺害された事件で、サウジの裁判所は8人の被告に対し、禁錮20年などの「確定判決」を言い渡した。同国国営メディアが7日に報じた。
被告の8人中5人に禁錮20年の判決が下ったほか、1人に対し禁錮10年、2人に対し禁錮7年がそれぞれ言い渡された。
CNNのこれまでの報道によると、カショギ氏の遺族は今年5月、被告5人を「許す」と表明。このため死刑判決は出ない見通しとなっていた。
国連で超法規的殺害に関する特別報告者を務めるアニエス・カラマール氏は7日、ツイッター上で判決を「司法のまねごと」と非難。判決に法的、道徳的な正当性はなく、裁判所は不公正かつ透明性に欠けるやり方で手続きを終えたとの認識を示した。
そのうえで、実行犯に判決が出た一方、同氏の殺害を画策した高位の当局者は初めから捜査の対象にすらなっていないと指摘した。
カショギ氏の婚約者だったハティージェ・ジェンギズさんはツイッターのアカウントで声明を発表し、事件に関する最も重要な点が知らされないまま裁判が終わったのは「茶番」だとしたうえで、ジェンギズさんは「殺害を計画し、命令したのは誰か? 彼の遺体はどこへ行ったのか?」と問いかけた。
米紙ワシントンポストのコラムニストで、サウジ政府を批判していたカショギ氏は、トルコのイスタンブールにあるサウジ領事館で18年10月に殺害され、遺体はバラバラに切断されたと伝えられている。