北朝鮮、平壌近郊の施設で核弾頭製造か 衛星画像で活動判明
ワシントン(CNN) 北朝鮮の首都平壌近郊にあるこれまで公表されていなかった施設が、核弾頭の製造に使われている疑いがあることが分かった。CNNが入手した衛星画像は、この施設で活動が続いている様子を示していた。
衛星画像はプラネット・ラボが撮影したもので、米ミドルベリー国際大学院の専門家チームが分析した。この施設の存在はこれまで一般には公表されていなかったが、北朝鮮の核開発に関係していると思われ、現在も活動が続いている。
ミドルベリー国際大学院のジェフリー・ルイス教授はこの施設について、「周辺警備や敷地内の住宅、指導者訪問の記念碑、地下施設など、北朝鮮の核施設の特徴を全て兼ね備えていた」と指摘する。
自動車、トラック、輸送コンテナなどの交通量も多く、工場は非常に活発に稼働しているとルイス教授は述べ、「その活動は、交渉が続いている間も今現在も、減速していない。まだ核兵器の製造を続けている」と話す。
この施設は2015年に米国の研究機関が発見していたが、北朝鮮の核開発における役割が特定できなかったことから、ルイス教授らは公表を差し控えていた。
しかし、北朝鮮研究を専門とする米科学者連盟のアンキット・パンダ氏が出版予定の著書の中で名称などを公表したことから、この施設の所在が公になった。
パンダ氏はこの著書「Kim Jong Un and the Bomb(金正恩<キムジョンウン>と爆弾)」の中で同施設について、主に核弾頭の製造に関係していると推定し、もしも金正恩氏が「有事の際の対応力向上」の目的で貯蔵量を分散させる必要があると判断すれば、貯蔵施設として利用される可能性もあると指摘している。