北朝鮮、国連制裁に反して砂を輸出か 米シンクタンク

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北朝鮮が国連安全保障理事会の制裁に違反し、大量の砂を中国に輸出しているとの疑惑が出ている/From C4ADS

北朝鮮が国連安全保障理事会の制裁に違反し、大量の砂を中国に輸出しているとの疑惑が出ている/From C4ADS

香港(CNN Business) 北朝鮮が国連安全保障理事会の制裁に違反し、大量の砂を中国に輸出しているとの疑惑を、米シンクタンク「C4ADS」が指摘している。

C4ADSはビッグデータを使って安全保障関連の問題を分析、調査する非営利組織(NPO)。ここで北朝鮮近海を中心とした北東アジアの監視を担当するアナリストらが昨年5月、北朝鮮南岸の海州市沖に集まる100隻以上の船を発見した。

アナリストはもともと、北朝鮮が制裁の禁輸措置に違反して石炭などを密輸する際、海上で船から船へ移し替える「瀬取り」という手口を監視していた。しかし瀬取りに使われる船は通常、多くても数隻程度だ。

一方、新たに見つかったのは279隻の船がかかわる大規模な動きだった。取引されていたのは石炭でも銃や薬物、偽造通貨などでもなく、大量の砂だ。


砂はコンクリートやガラス、電子回路にも使われる重要な資源。北朝鮮は1990年代から近隣諸国に砂を輸出してきたが、2017年の安保理決議では土石類の輸出も禁止された。

しかし国連の調査委員会が4月に出した報告書によると、昨年は少なくとも2200万ドル(現在のレートで約24億円)分の砂を輸出していた。ある国から調査委に提供された情報によれば、北朝鮮が昨年5月から12月末までに輸出した砂は100万トンに上ったという。

C4ADSのアナリストらが数週間監視を続けた結果、現れた船は全て中国の旗をつけているか、中国名が書かれていることが明らかになった。さらに衛星画像を調べると、北朝鮮沖の海底から砂を採取する大がかりな作業の様子が写っていた。

の海州市沖に集まった船/From C4ADS
の海州市沖に集まった船/From C4ADS

大量の砂は中国沿岸の港へ運ばれたが、その後どうなったのかは不明だ。中国側は、国連制裁に違反する砂の搬入を確認できなかったと主張している。

アナリストらによると、北朝鮮が中国企業に海砂の採掘権を売った可能性もある。だが塩分を取り除いたり運搬したりする手間を考えると、企業側にとって決して割の良い話ではないだろう。

もう一つの可能性として、北朝鮮の目的は海州港の拡張だったという説がある。掘削作業のために中国から船を送り込んでくれる企業と契約し、掘った砂を報酬としてそのまま引き渡したとも考えられるという。

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