英王子夫妻の「引退」表明、気になる疑問にCNN記者が答える

高位王族の地位を退き、経済的に自立すると発表した英ヘンリー王子夫妻/Chris Jackson/Getty Images

高位王族の地位を退き、経済的に自立すると発表した英ヘンリー王子夫妻/Chris Jackson/Getty Images

(CNN) 英王室のヘンリー王子とメーガン妃が高位王族の役割から退き、「経済的自立」に向けた取り組みを開始すると発表した。王室のメンバーに一切の相談なく突如(とつじょ)として下されたこの決定は大きなニュースとなり、世間で様々な臆測を呼んでいる。ネット上には、英国の欧州連合(EU)からの離脱を意味する「ブレグジット」をもじった「メググジット」なる造語まで登場する始末だ。

以下、この件について読者が今すぐ知りたいと思われるいくつかの疑問に、CNNのマックス・フォスター記者が回答する。

なぜ今なのか?

今回の決定は、夫妻がカナダと英国での6週間の休暇を終えたタイミングで発表された。ただその背景には、ヘンリー王子の幼少期にまでさかのぼる長年の思いがあったと考えられる。世間の目にさらされるなかで育ったヘンリー王子は、幼いころに母親のダイアナ妃がパパラッチに追いかけられて事故死するという悲劇を経験した。

以前には、英王室の一員としての重圧に耐えられる人間がいるとは思えないといった発言もしていた。最近ではメーガン妃も、そうした重圧に耐えることができていないことを自らメディアに対し語っている。

昨年の春に長男のアーチー君が生まれたことも、スポットライトから逃れたいとする気持ちに拍車をかけただろう。アーチー君に称号を使わない方針を示したのは、それによって私生活への権利が守られると判断してのことだったと思われる。

夫妻は称号を失うのか?

ヘンリー王子夫妻は自分たちのウェブサイトで、今後もサセックス公の称号を保持することができるとの見解を示している。歴史上、そうした先例はあるという。

夫妻の姓は?

高位王族にとって曖昧(あいまい)な領域だが、おそらくアーチー君に与えたのと同じ「マウントバッテンウィンザー」姓を名乗ると考えられる。

女王は決定を認めるのか?

これほど重要な決定は通常、家族の長であり国家元首たるエリザベス女王の承認を必要とする。しかしヘンリー王子夫妻は決定に先立ち、女王に意見を求めなかった。会社で言えば「社長」に話を通さなかったも同然で、前代未聞の事態だろう。王室から完全に離脱するわけではなく、実際には新たな役割を要求するのだからなおさらだ。

夫妻の発表を受け、英王室は深い失望感に包まれているという。高位の王族メンバーが心を痛めているといった声も聞かれる。

夫妻はなぜ、他の王室メンバーに相談しないのか?

王室内での不和についてはずいぶん前から多くの人々の間でうわさが飛び交っていたが、昨年の英ITVのドキュメンタリー番組がそれを裏付けた。この中でアフリカ南部を外遊中のヘンリー王子は、メディアが取り上げる兄のウィリアム王子との不仲について質問を受け、「(兄弟は)別々の道を歩いている」と答えている。こうした状況を考えると、ヘンリー王子とメーガン妃が他の王室メンバーに相談しなかったのもそれほど驚く話ではないのかもしれない。

夫妻は税金を納めるのか?

ヘンリー王子夫妻は税金の特別優遇を一切受けていない。しかし現在のところ個人としての所得がなく、公費と王室の費用で生計を立てている状態のため、いかなる納税義務も発生しない。

メーガン妃は俳優業に戻るのか?

可能性は低い。メーガン妃は、女性の地位向上と慈善活動に最優先で取り組むと明言している。

ヘンリー王子は職に就くのか?

本人が経済的自立を求めるのであれば、ほかに選択肢はないだろう。しかし自ら主導する慈善活動以外に何をするのかは明らかでない。

経済的自立とは何を意味するのか?

これまでの規定はヘンリー王子夫妻に対し、いかなる形であれ収入を得ることを禁じている。夫妻の公的支出の5%は英国政府からの資金で賄われているが、夫妻は今後この公的資金を受け取らないことで「経済的に自立」するとしている。

ただ夫妻の支出の95%を占めるチャールズ皇太子からの資金については、引き続き受け取る方針だという。ヘンリー王子の父であるチャールズ皇太子からの資金は、本人のコーンウォール公爵領の資産に由来するものだが、果たして今回の驚愕(きょうがく)の発表を行った後も同水準の資金を与えるものだろうか?

ヘンリー王子には母のダイアナ妃から受け継いだ巨額の遺産もあるが、それだけでは夫妻の現在のライフスタイルを維持することはできないだろう。

夫妻はどこに住むのか?

ウェブサイトでの発言によると、夫妻は引き続きロンドン西郊にあるウィンザー城の新居フロッグモア・コテージに居住し続けるという。しかしそれには女王の許可が必要だ。女王のオフィスは、あらゆる詳細事項に「時間をかけて対処する」としている。ちなみに自分たちの公邸とするにあたり、王子夫妻は240万ポンド(現在のレートで約3億4000万円)の税金を投じてフロッグモア・コテージの改修を行った。

今回の決定は王位の継承順位に影響を与えるか?

与えない。

Video

Photo

注目ニュース

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]