英で重体の男女、神経剤ノビチョクに接触 元スパイ襲撃と同物質
ロンドン(CNN) 英南部エイムズベリーで先週末に男女が意識不明の状態で見つかった事件で、ロンドン警視庁は4日、2人が神経剤「ノビチョク」にさらされていたと発表した。2人は依然として重体だという。
ノビチョクは軍事級の神経剤で、今年3月にエイムズベリーから数キロ離れたソールズベリーで起きたロシア人元スパイへの襲撃でも使用されていた。英政府はロシアによる襲撃との見方を示している。
ロンドン警視庁のテロ対策部門幹部によれば、捜査員は現在、両事件が関連している可能性を調べている。ただ、これまでのところ、エイムズベリーの2人が特に標的にされたことを示す証拠はないという。
同幹部は今回の神経剤について「スクリパリ父娘(ロシア人元スパイ)がさらされたものと同一かどうかは話す立場にない」とした上で、これら2つの捜査が関連してくる可能性を明確に視野に入れていると明かした。
現地の警察によると、今回の被害者2人はいずれも地元住民。女性が倒れたとの通報があり、先月30日の朝、救急医療班がエイムズベリーの住所に駆けつけた。続けて、同じ場所で男性も体調を崩していたとの報告があり、改めて医療班が現場に向かったという。
当初は汚染されたコカインかヘロインの使用で体調不良に陥ったとみられていたが、症状をめぐる懸念から、2日になって患者の検体が分析に回された。詳細な分析の結果、男女がノビチョクにさらされていたことを確認したとしている。