地中海渡る移民、2日で215人が溺死 リビア沿岸に遺体
(CNN) 中東やアフリカからの移民が欧州入りのために地中海の渡航を試みている問題で、北アフリカのリビアを出発した後に溺死した移民の数が2日間で215人に達していたことが22日までに分かった。国連の報告で明らかになった。
国連によれば19日、木造の船で航行していた移民100人のうち95人が死亡した。船は地中海に面したリビアの首都トリポリで、同国の国家警備隊が発見した。生き残った5人は、当局が病院に搬送した。
同じ日、リビア沿岸の別の地点では、130人を運ぶ船に乗っていた70人が溺死した。生き残った60人はリビア国内へ送還されたが、国連の報告によると治療を受けたかどうかは明らかになっていない。
翌20日にはトリポリから東へおよそ64キロの距離に位置する町へ警備隊が派遣され、50人の遺体を発見した。
国連は2月にも、リビアから欧州へ渡ろうとした移民90人が死亡したと報告していた。4月にはリビア海軍が11人の死亡を発表している。
国連の国際移住機関(IOM)によると、人口620万人のリビアには現在、貧困や紛争から逃れようとやってきた70万~100万人の移民がいるという。2017年の1~5月にはリビアから6万人を超える移民が地中海を渡り、イタリアに到着した。