世界最長の海上橋「港珠澳大橋」<2> 無用の長物?

(CNN) グレーターベイエリアの構想が最初に浮上したのは2009年だが、同エリア内には香港・中国、マカオ・中国、香港・マカオの3つの境界があり、さらに3都市間で法制度や通貨が異なるなど、さまざまな障害があったために開発が遅れた、とチャン氏は言う。

前回「世界最長の海上橋『港珠澳大橋』<1> 中国のグレーターベイエリア」はこちら

世界の他のベイエリアに対抗するために、中国政府はこれらの障害を除去あるいは縮小するなどして都市間の統合を推進する必要があったという。

そこに浮上したのが港珠澳大橋だ。この橋が完成すれば、3都市間の移動時間は3時間から30分に短縮され、3都市間を1時間以内で往復可能になる。

また観光業の振興も橋を建設する目的の1つだ。チャン氏によると、現在、中国本土から香港を訪れる人の滞在期間は1日か2日と短く、大半はショッピングが目的で、珠江デルタの他の地域を旅行することはめったにないという。しかし橋が開通すれば、中国や他の国々からの旅行者は香港の空港からマカオや中国本土まで約45分で行くことができる。

チャン氏は、グレーターベイエリアは「中国で最も魅力的な観光ハブになる可能性を秘めている」と考えているが、誰もが橋の建設は有益と考えているわけではない。

無用の長物?

「(橋の建設は)金の無駄」と語るのは、香港の民主化を支持する無所属議員、クラウディア・モー氏だ。「中国本土と香港はすでに空、海、陸でつながっているのに、なぜ新たなプロジェクトが必要なのか」とモー氏は憤る。

モー氏は、他の反対派の人々と同様に、橋の建設は政治的動きと考えている。香港を揺るがした2014年の民主化デモ後、中国政府は香港への締め付けを強めており、反対派は、この橋を中国政府が香港を吸収・支配するための手段と見ている。

「この橋はまるでへその緒のように香港を中国とつなぐ。橋を見れば、香港が中国本土とつながっているのが一目瞭然だ」とモー氏は言う。

またモー氏は、香港の道路が橋から流れてくる車の量に対応できるのか疑問を抱いており、香港にはこれ以上旅行者は必要ないと考えている。モー氏によると、香港を訪れる旅行者の数は英国全体よりも多く、2016年の海外からの旅行者数は、香港が5670万人だったのに対し英国は3760万人だった。

次回「世界最長の海上橋『港珠澳大橋』<3> 3都市の未来は」は6月24日公開

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