北朝鮮のミサイル写真に加工の形跡か、専門家が指摘
(CNN) 北朝鮮が先週公開した大陸間弾道ミサイル(ICBM)「火星15」の打ち上げ写真は、加工されていた可能性があることが5日までに分かった。
北朝鮮のミサイル計画を追跡しているオランダの専門家、マルコ・ラングブルク氏がCNNに語ったところによると、打ち上げ場面の背景に写っている星空に不審な点があるという。
同氏は立ち上る煙の形から撮影の方角を割り出し、ミサイルの両側から撮ったとみられる写真を比較した。本来なら背景には相対する方角の星空が写っているはずだが、そうではないことが分かった。
また、同氏と連絡を取り合っている米ハーバード・スミソニアン天体物理学センターのジョナサン・マクドウェル氏は、上昇中のミサイルと星空が両方鮮明に写っていることにも違和感を覚えたという。
夜間にミサイルの動きを撮影するにはシャッタースピードを速くする必要があるが、そうすると背景の星ははっきり写らない。一方、星を写すためにシャッタースピードを遅くすれば、動いているミサイルはぶれてしまうはずだ。
打ち上げ前の火星15を撮影した1枚は、背景に星空が写っているが、右下にいる複数の人物の姿がぶれていることから、シャッタースピードを下げた写真だということが分かる。これは加工されていないようだ。
マクドウェル氏によると、ミサイルが従来のように昼間に発射された場合は、公開写真の背景が打ち上げ場所を特定する重要な手掛かりになる。北朝鮮は火星15を夜間に打ち上げ、さらに背景を加工することで、手掛かりを消そうとした可能性もある。