トルコ国民投票は「不平等」、国際監視団が批判 トランプ氏からは祝意

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トルコでの国民投票について国際監視団からは批判の声も出ている

トルコでの国民投票について国際監視団からは批判の声も出ている

アンカラ(CNN) トルコの国民投票で大統領の権限を大幅に強化する憲法改正案が承認されたことについて、欧州安全保障協力機構(OSCE)や欧州評議会でつくる国際選挙監視団は、賛成派がマスコミ報道を独占する不平等な状況の中で投票が行われたと指摘した。トルコ外務省からは反論の声が出ている。

選挙監視団は国民投票について、有権者に十分な情報が与えられず、反対派の声は抑えられ、直前になって規定が変更されたと指摘。「真に民主的な国民投票を行うための法的枠組みは不適切なままだった」と批判した。

この指摘に対してトルコ外務省は、偏見に満ちた内容だと反論、「今回の国民投票を国際水準以下とする論評は容認できない」と反発している。

国民投票は非常事態宣言の下、反対派の大規模な取り締まりが行われる中で実施されたにもかかわらず、エルドアン大統領の憲法改正案を支持した有権者は51.4%とわずかな差で反対派を上回ったにすぎなかった。

トルコの3大都市、アンカラ、イスタンブール、イズミルでは、反対派が賛成派を上回った。

野党側は、投票が始まった後に規定が変更されたことを問題視して、開票結果に異議を申し立てる意向を示している。

国営アナトリア通信によると、米国のトランプ大統領は17日、エルドアン大統領に電話で祝意を伝えた。

米国務省のトナー報道官は声明の中でトルコに対し、「4月16日の国民投票の結果を問わず、全市民の基本的な権利と自由を守る」ことを促した。

欧州諸国からは、エルドアン大統領が死刑制度の復活を示唆していることについて、懸念の声があがっている。死刑制度が復活すれば、長期間にわたって協議が続いているトルコの欧州連合(EU)加盟交渉がとん挫する可能性も出てくる。

今回の国民投票の結果は、立場を固めようとするエルドアン大統領の努力が結実した形だ。エルドアン氏は10年近くにわたり首相を務め、2014年に大統領に就任した。

昨年にはクーデター未遂も発生したが、そのことが反体制派に対する締め付けの強化につながった。今回の国民投票で反対の立場を取っていた陣営によれば、暴力による脅迫などに直面したほか、反対勢力の有力者やジャーナリストは投獄された。

投票結果が僅差に終わったことは、不正行為の申し立てとともに、今後の不安定さを示唆しているともいえそうだ。

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