香港政府トップ、象牙取引の全面禁止を宣言 批判受け
香港(CNN) 香港政府トップの梁振英行政長官は14日までに、批判を招いている同地での象牙取引を全面的に禁止する措置を打ち出すとの考えを明らかにした。年恒例の施政方針の演説で述べた。
香港は象牙取引の国際的な中心地とされる。環境保護団体「ワイルドエイド」の香港支部関係者は同長官の宣言を強く歓迎する立場を表明。取引の全面禁止を働きかけ続けてきた香港立法会(議会)の議員は政府に遅滞なき実現を求めた。
香港では現在、象牙の輸出入は禁止されている。しかし、取引禁止を打ち出した1989年の国際協定前に承認を受けていた約400人の業者の販売活動は依然認められている。
取引禁止を要求する活動家らはこの抜け道が違法な取引を隠蔽(いんぺい)し、象の密猟などを助長させていると主張。ワイルドエイドは昨年、潜入調査の結果を発表し、象牙の取引業者が密輸など現行の関連法規に違反する行為がいかに容易かを豪語していたとも暴露していた。