緊張高まる日中関係、防衛白書めぐり主張の応酬
(CNN) 日本の防衛省が8月に2014年版の防衛白書を発表したが、中国との関係改善にはほとんど役立たなかったようだ。白書の発表を受け、中国政府は、日本が軍備拡張の口実として「中国脅威論」を利用していると強く反発している。
白書への中国側の反発の背景には、日本政府が近年、「安全保障環境が厳しさを増している」として、防衛費を拡大させている経緯がある。2014年度の日本の防衛予算は約4兆9000億円と前年度比で約3%増大した。緊迫する朝鮮半島情勢や東シナ海における領土問題が主な懸念材料とされている。
安倍晋三首相の下、日本は自国の防衛態勢についてより積極的な姿勢を見せており、今後4年間にわたってさらに軍備を増強していくものとみられる。大型ヘリ空母や対潜哨戒機、無人偵察機、水陸両用部隊などを拡充するほか、米国製の第5世代最新鋭ステルス戦闘機F35を2018年から導入する予定だ。
日本は地域安全保障において同盟国である米国からの恩恵を大きく受けており、武器購入についても米国の大口顧客となっている。ただ、潜水艦など一部兵器については自国で開発している。
一方、中国の2014年の防衛費は約2000億ドル(約20兆円)となる見込み。中国は一部の武器を主にロシアから購入しているが、自国での武器開発も行っている。2012年には中国初となる空母を就役させたほか、2020年までにもう2隻の空母を建造する計画とみられている。また、自前の第5世代ステルス戦闘機J20を開発中であり、2018年にも実戦配備される見通しとなっている。