北朝鮮、国連の人権調査報告書に反発 中国も同調

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(CNN) 国連の北朝鮮人権調査委員会が先月、北朝鮮でさまざまな拷問や弱者への虐待が横行しているとの報告書を出したことに対し、北朝鮮と中国の代表が17日の国連人権理事会で強い反発を示した。

北朝鮮代表は、米国をはじめとする「敵対国」が北朝鮮の威信を傷つけ、体制を破壊するために報告書の内容をねつ造したと主張。報告書に記載された証言は、北朝鮮から逃亡した「犯罪者たち」によるうそだと述べた。

さらに「北朝鮮ではだれもが人権と自由を保障されている」「わが国の社会制度は命と幸せのゆりかごだ」と力説した。一方、報告書に書かれた具体的な人権侵害の項目には言及しなかった。

日本の拉致被害者家族会の代表、飯塚繁雄さんがスピーチに立つと、北朝鮮代表は抗議の意思を示して退席した。

人権委のカービー委員長は、北朝鮮代表の発言が「本題から外れている」と批判。「ナチスドイツやアパルトヘイト、クメール・ルージュに立ち向かうためには大きな勇気が必要だった。北朝鮮による人権侵害と人道犯罪に立ち向かうことは国際社会の責務だ」と訴えた。

会合では中国代表も北朝鮮に同調した。「人権委は当事国の協力を得られず、公正で中立的な報告ができていない」として報告書の信頼性を疑問視し、人権委が示した結論や提言は「現実からかい離し、偏向している」と批判した。実際には人権委が調査に際し、北朝鮮に立ち入り許可と情報提供を求めたが、北朝鮮側に拒否されていた。

人権委は報告書の中で、北朝鮮を国際刑事裁判所(ICC)に訴追することも辞さないと警告した。しかし国連安全保障理事会の常任理事国である中国が反対すれば、訴追は困難になる。

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