北朝鮮で「ハムレット」、英グローブ座の世界ツアー

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グローブ座が北朝鮮で「ハムレット」の上演を計画

グローブ座が北朝鮮で「ハムレット」の上演を計画

香港(CNN) 父の死後、若き王子が疑念に駆られ、政治的陰謀が渦巻く中でおじを殺害する――。どこかで聞いたような話ではないだろうか。

英劇団のグローブ座は海外ツアーの一環として、2015年9月に北朝鮮でシェークスピアの悲劇「ハムレット」の公演を予定している。

ハムレットは権力にまみれた王室一族の争いを描く悲劇のストーリー。一方、北朝鮮では金正恩(キムジョンウン)第1書記が叔父の張成沢(チャンソンテク)氏を処刑した。

北朝鮮公演の計画について人権団体のアムネスティ・インターナショナルは、「グローブ座は北朝鮮に行く前に、あの国の現実を知るべきだ」と批判。「10万人が強制収容所にとらわれ、拷問、レイプ、飢え、処刑が日常的に行われている悲惨さは、どんな悲劇も足元にも及ばない」と指摘した。

これに対してグローブ座は、「排除ではなく包容の方が、シェークスピアの精神にふさわしい」と説明する。今回の世界ツアーは政情にかかわりなく7大陸を横断し、北朝鮮のほかにもシリア、アフガニスタン、中央アフリカ共和国、ソマリアなどを訪問する予定だ。

ハムレットはイングランドで圧政や暴力が横行していた時代にできた作品だとグローブ座は解説し、「ハムレットは話し合いや対話のきっかけになる。できるだけ多様な場所で、多くの人たちと交流したい。この劇を体験するチャンスから誰も排除してはならない」とした。

アムネスティの担当者は、「金正恩はハムレットではなく、残念ながら良心と戦っている様子はない」と話している。

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