ロシア経済への締め付け強化求める、米CIA元長官

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米中央情報局(CIA)のデビッド・ペトレイアス元長官/Michal Dyjuk/AP/FILE

米中央情報局(CIA)のデビッド・ペトレイアス元長官/Michal Dyjuk/AP/FILE

(CNN) 米中央情報局(CIA)のデビッド・ペトレイアス元長官はウクライナ侵略を続けるロシアに触れ、プーチン大統領は軍事面や経済面で大きな打撃を連続的に被っており、米国はロシアへの圧力をさらに強めるべきだとの見解をこのほど示した。

CNNの電話取材に応じ、「プーチン(氏)は極めて困難な状況に追い込まれている」とし、「我々はさらに締め付けを強め続ける必要がある」と強調した。

盤石の権力基盤を築いているとされたプーチン氏の権威は先月、ロシアの民間軍事企業「ワグネル」の創始者プリゴジン氏の反乱発生で揺らぐ結果となった。反乱は短期で収束したものの、プーチン氏が実権を握った1990年代以降ではその指導力の真贋(しんがん)を問う最大の試練だったとの見方もある。

米中央軍司令官なども歴任した退役陸軍大将であるペトレイアス氏は現在、民間の投資運用企業の幹部を務める。同氏はロシア国内の状況について、プーチン氏は「戦場では自国兵を死なせ、自国の経済でも同様の苦境に遭遇している」と分析。

ロシア経済の窮境について「我々の多くが見込んでいたほどの打撃ではなかったが、それでも問題を生じさせている」と主張した。

その上でロシア経済が抱え込むことになった広範な障害に言及。膨らむ予算の赤字、西側の主要企業1000以上の撤退、優れた技術を持つ大手の石油企業の撤収や西側世界との交易の多くの途絶に触れた。

ロイター通信によると、ロシアの原油や天然ガス輸出関連の収入は今年上半期に前年同期比で47%減の3兆3800億ルーブルに落ち込んだ。ロシア財務省のデータを引用したものだが、納税申告も、物価低下や売上高の影響もあって下落したという。

ペトレイアス氏はさらに、ウクライナ侵攻が始まって以降、能力や技量を持つロシア国民の国外への頭脳流出が相当な規模で進んでいる現状に言及。「世界ののけ者になった国にはもはや住みたくないと思う最も優秀で才能ある数十万人規模の国民を失った」とも決めつけた。

欧米諸国などがロシアに科した経済制裁については致命的な効果を与えていないとの見方も出ている。米国のサマーズ元財務長官を含む一部のエコノミストは、制裁は多くの国が履行していないため想定していたほどの影響力を発揮していないとも指摘した。

一方で、米イエール大学のソネンフェルド教授は制裁はかなり甚大な規模の打撃をロシアに与えていると主張。「ロシアはもはや経済大国ではない。その経済は多量の出血を被っている」と断じた。

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