米民主党のシネマ上院議員、離党表明 無所属として登録

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米民主党のシネマ上院議員が離党表明

(CNN) 米民主党のキルステン・シネマ上院議員(アリゾナ州選出)は10日までに、CNNの単独インタビューで、民主党を離党して無所属として登録する意向を示した。

シネマ氏は上院にある自身のオフィスでインタビューに応じ、「アリゾナ州の無所属として登録する。やや驚く人もいるかもしれないが、実際のところ非常に理にかなった選択だと思う」と述べた。

そのうえで「私はどの政党の箱にも収まったことがない。収まろうとしたことはなく、そうしたいという思いもない」「党派的な構造から離れることは私のあり方や活動方法に沿っている。それだけでなく、党派対立にうんざりしている州や国の多くの人に居場所を提供できると思う」と述べた。

シネマ氏の離党で上院の新会期の勢力図に変化が出ることはないとみられる。民主党はバーニー・サンダース議員(バーモント州選出)とアンガス・キング議員(メーン州選出)の無所属2人を含め51議席となり、49議席の共和党を僅差(きんさ)で抑えて過半数を占める見通しだ。

サンダース、キング両議員は民主党と正式に会派を組んでいるが、シネマ氏は同様の対応を取るとは明言しなかった。ただ、委員会のポストは引き続き務める意向だと明らかにした。民主党議員への委員会ポストの割り振りは上院トップのシューマー院内総務が差配していることから、シネマ氏は上院の構成を変化させる考えはないとみられる。

ただ、無所属になるという決定は、シネマ氏がかねて持っていた独立傾向を公にするものではある。シネマ氏は緑の党の一員として政界でのキャリアを歩み始め、2012年に下院議員、18年に上院議員に当選した。自身が民主党指導部の頭痛の種になっていることを誇りに思っており、特定の党派から離れたことで、今後はこれまで以上に上院における反主流派の地位を享受できるようになるだろう。

シネマ氏は9日付の地元紙への寄稿で、離党の決断について説明。上院での同氏のやり方に「両党の党派的な議員は動揺している」と指摘し、「政治家が米国民の生活向上よりも野党に勝利を与えないことを重視するようになれば、敗者となるのは一般の米国民だ」と訴えた。

シネマ氏は24年に再選を懸けた選挙を控えている。アリゾナ州のリベラル陣営は既に、対立候補を擁立する考えを示唆。その1人であるルーベン・ガレゴ下院議員(アリゾナ州)は今年、一部の民主党議員からシネマ氏に対抗して出馬するよう促されたことを明らかにした。

ガレゴ氏は声明で「残念ながら、シネマ上院議員はアリゾナ州民のために物事を実現するのではなく、またも自身の利益を優先した」と指摘した。

シネマ氏はCNNのインタビューで再選についての質問には答えず、現在の活動に集中していると述べるにとどめた。

ホワイトハウスのジャンピエール報道官はシネマ氏の発言を受け、同氏を「重要なパートナー」と形容。「ホワイトハウスは引き続き同氏と協力していけると確信している」と述べた。

複数の情報筋はCNNに対し、シネマ氏は事前にホワイトハウスに離党の意向を伝えていたと明らかにした。シューマー氏も声明で、シネマ氏の発表について9日午前よりも前に把握していたことを明らかにした。

シューマー氏は「彼女から委員会のポストを引き続き務めたいという要請があり、承諾した」と説明。「キルステンは常に独立独歩だった。彼女は効果的な働きをする優れた上院議員であり、民主党を多数派とする新たな上院が生産的な会期となることを楽しみにしている」と期待を示した。

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