通勤客が突き飛ばされホームから転落、防犯カメラの映像公開　米ＮＹ地下鉄

（ＣＮＮ） 米ニューヨーク市ブルックリン区の地下鉄の駅で２１日、ホームを歩いていた通勤客が男に突き飛ばされて線路上に転落する事件が起きた。ニューヨーク市警は現場から逃走した男の行方を追っている。

ニューヨーク市警は防犯カメラがとらえた事件発生の瞬間の映像を公開し、被害者の男性（３２）は負傷したものの、列車にはひかれていないことを確認した。

市警の２２日の発表によると、事件は現地時間の２１日午後２時４０分ごろ、地下鉄の駅構内で発生。容疑者の男は、ホームを通りかかった被害者をいきなり突き飛ばし、線路上に転落させた。

ニューヨーク市内ではこの数カ月の間に地下鉄などで凶悪犯罪が相次ぎ、市や州が防犯対策の強化に乗り出していた。

ニューヨーク警察の統計によると、今年初めから１０月１７日までに市の地下鉄で起きた犯罪の件数は１８１３件に上り、前年同時期の１２８２件より４１％増えた。殺人事件は９件発生しており、その４０％は心の健康問題の経歴がある容疑者が関係していた。

このためニューヨーク州や市は、地下鉄に配備する警官を増やしたり、ホームレスに対応する警官の講習を新設したりするなどして、防犯対策や精神疾患対策に力を入れている。

ニューヨーク州のキャシー・ホークル知事は２２日の記者会見で、改札前に警備員を配置するなどの対策を発表した。

交通警察は通勤客の多いグランドセントラルなど主要４駅に警官を配備する。これによってニューヨーク市警の警官約１００人を他の交通拠点に振り向けることができるとしている。

ホークル知事は９月、２０２４年までに地下鉄の全車両に防犯カメラ２台を設置する計画を発表していた。