遊泳客が脳をむしばむアメーバに感染、湖の水が原因か 米アイオワ州
(CNN) 米アイオワ州の湖で遊泳した人が、脳をむしばむアメーバに感染していることが確認され、州はこの湖を封鎖して検査を行うと発表した。
アイオワ州公衆衛生局は8日、同州テイラー郡にあるレイク・オブ・スリー・ファイアーズ州立公園内の湖での遊泳を一時的に禁止すると発表した。
発表によると、脳をむしばむアメーバ「ネグレリア・フォーレリ」の感染が確認されたミズーリ州の住民は、レイク・オブ・スリー・ファイアーズ湖で遊泳している間に感染した可能性がある。
ネグレリア・フォーレリに感染すると、致死性の高い原発性アメーバ性脳髄膜炎(PAM)と呼ばれる脳の症状を引き起こす。
PAMの症例は極めてまれで、米国で確認された症例は1962年以来、154例にとどまる。
米疾病対策センター(CDC)によると、ネグレリア・フォーレリは湖や川、温泉などの水や土壌で見つかっているほか、塩素消毒されていないなど管理が不十分なプールでも見つかることがある。
水の中のアメーバが鼻から入ると脳に到達して脳の組織が破壊される。一方、同じ水を口から飲んだとしても感染には至らない。
州公衆衛生局はネグレリア・フォーレリの存在を確認するためCDCと連携して湖の水の検査を行う。結果が出るまでには数日かかる見通し。
CDCによれば、PAMを発症すると大抵の場合は死に至る。これまでに北米で確認された症例のうち、生存例は5例にとどまる。
米国では2019年~21年にかけ、テキサス州で子ども3人がネグレリア・フォーレリに感染して死亡した症例が確認されている。