米フロリダ州、選挙取り締まり部署を新設へ デサンティス知事が法案に署名

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フロリダ州のデサンティス州知事が、選挙取り締まり機関を新設する包括的選挙改正法案に署名/Rebecca Blackwell/AP

フロリダ州のデサンティス州知事が、選挙取り締まり機関を新設する包括的選挙改正法案に署名/Rebecca Blackwell/AP

(CNN) 米フロリダ州のロン・デサンティス州知事は25日、新たに選挙取り締まり機関を設置する包括的選挙改正法案に署名した。これにより、州政府には選挙犯罪調査の新たな手段が与えられることになる。

共和党知事の署名により、フロリダ州は全米で初めて不正投票特捜班を抱える州となった。不正投票はめったに起きる問題ではないが、2020年大統領選でドナルド・トランプ前大統領が敗北したのを受け、一部の共和党有権者の間で活発な議論が起きていた。

「自分の投じた票が集計されるとフロリダ以上に自信をもって言える州は、全米で他にないと思う」。署名に先立って行われた記者会見で、デサンティス知事はこう述べた。

今年の州知事選で再選を目指し、24年の大統領選挙も視野に入れているデサンティス州知事の法案署名は、共和党の超保守派からの支持固めの中で行われた。今回の署名の前にも、先週には物議を醸す法案が立て続けに署名された。その中にはディズニーを標的とした2つの法案と、学校や企業が人種と性別にまつわる話題をどう取り上げるかについて規制を課す法案も含まれる。

20年の大統領選以来、フロリダ州で大規模な選挙改正法が成立するのはこれで2回目だ。中間選挙を目前に控え、トランプ支持者らはさらなる選挙規制と選挙管理改正を要求している。トランプ氏や支援者は、20年大統領選の敗北は広範囲な不正投票が原因だと虚偽の主張をしている。

同年の選挙でトランプ氏はフロリダ州で十分な差をつけて勝った。これまでデサンティス氏を含むフロリダ州当局者も、20年の大統領選は円滑に行われたと述べていた。

不正投票は極めて稀(まれ)な出来事だ。フロリダ州務長官事務所によれば、20年の選挙で受けた不正投票の苦情は262件で、そのうち警察あるいは検察に届け出たのは75件だった。同年の大統領選挙で投票したフロリダ州住民は1100万人近くにのぼる。

新法によりフロリダ州州務省内に選挙犯罪保安事務所――デサンティス州知事直属の部署――が新設され、15人の職員が不正投票の予備調査を行う。それに加えてデサンティス州知事は、選挙犯罪の捜査担当者として最大10人をフロリダ州法執行省に配属することができる。

デサンティス州知事は25日の記者会見で、地元の選挙監督官や地方検事が選挙関連の苦情捜査に必要な知見やツールを備えているとは限らないと述べ、新設部署には選挙犯罪の専門家が置かれるだろうと述べた。

「施行される法律はどんなものであれ、きちんと執り行われるようにしたいだけだ」と州知事は付け加えた。

主要発起人のダニエル・ペレス州下院議員は法案審議の際に、最終的な制度にかかる費用は370万ドル(約4億7200万円)になるだろうと述べた。当初デサンティス州知事は600万ドル近い費用をかけて、52人の職員から成る部署の設立を望んでいた。

この数週間、2つの州――フロリダ州と隣接するジョージア州――は選挙犯罪の取り締まり強化に乗り出している。

フロリダ州の新法では選挙法違反者の罰則も強化された。2通を超える郵便投票用紙の代理受領および代理提出はこれまで軽罪とされていたが、今後は重罪となる。さらに有権者登録法に違反した組織に科される罰金も、1000ドルから5万ドルに増額された。

非営利組織(NPO)リーグ・オブ・ウーマン・ボーターズ・オブ・フロリダのセシル・スクーン会長は、自分たちにとって罰金5万ドルは「直接的脅威」だと述べた。

州議会で法案が議論されていた3月、「新たな選挙調査員に加え、罰金が増額されることになれば、穏やかで落ち着ける雰囲気ではなくなる」と会長はCNNに語った。

また新法により、個人の寄付を禁止する既存の規定の範囲が「選挙管理に関するいかなる裁判費用」にまで拡大された。批判的な人々によれば、これにより無償の法的援助が断たれた選挙職員は、新法の名のもとにさらなる追及にさらされかねない。

さらに選挙監督官に義務付けられていた有権者リストも隔年更新から毎年更新に変更される。また南フロリダで、一部の高齢投票者の登録政党が勝手に民主党から共和党に変更されていたという報告を受け、同意なく有権者の登録政党を変更した場合は1000ドルの罰金が科されることになる。

デサンティス州知事が新法成立に乗り出した背景には、3月31日の裁判判決がある。裁判所は21年にフロリダ州が可決した選挙法の複数の条項が憲法違反であり、黒人投票者を不当に狙ったものだという判決を下した。マーク・ウォーカー判事は裁定書の中で、今後州政府が差し止められた条項と類似の選挙改正を行うことを禁じた。

すでにフロリダ州政府は控訴する意向を第11巡回控訴裁判所に申し立てている。選挙法の専門家によれば、ウォーカー判事の裁定は保守派寄りの第11巡回裁判所または連邦最高裁判所のいずれかで覆る公算が大きいという。

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