米共和党議員が大使館職員を脅迫、無許可のアフガン訪問協力を断られ 報道

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自身のアフガン訪問に協力しなかった米大使館職員を脅迫したというM・マリン議員/Tom Williams/CQ Roll Call/AP

自身のアフガン訪問に協力しなかった米大使館職員を脅迫したというM・マリン議員/Tom Williams/CQ Roll Call/AP

(CNN) 米共和党の下院議員が、アフガニスタンを訪問して許可なく米市民を退避させようと試みたものの、在タジキスタン米国大使館の職員が協力を断ったことに激怒し、職員を脅していたことが分かった。米紙ワシントン・ポストが報じた。

同紙が報じたところによると、オクラホマ州選出のマークウェイン・マリン議員は先月30日、在タジキスタン米国大使館に電話を入れた。その際、同国の首都ドゥシャンベへジョージアから数時間以内に飛行機で向かうとし、多額の現金の輸送を手伝ってほしいと伝えたという。

米当局者2人が同紙に明らかにしたところによると、同議員は大使館に対し、ヘリコプターを借りて、米市民の女性1人とその子どもたち4人をアフガニスタンから救出する計画を持っていると話した。

これに対して大使館職員は、アフガニスタンへと向かう際にタジキスタンの通貨持ち出し規制を無視して同議員を支援することは出来ないとして、同議員の要請を断った。

この回答に気分を害したマリン議員はその際、ジョン・マーク・ポマーシェイム大使および大使館職員らを脅したという。

さらに先月31日午後の時点で、米当局者らは同紙に対し、マリン議員の所在について分かっていないと話していた。

だが同日夜、マリン議員の報道担当者が声明を発表し、同議員の現在の所在について詳しい説明は避けながらも、「現在のところ、完全に無事でいる」と述べた。

また同議員も1日早朝、自身のインスタグラムに投稿し、行方不明になっていたのではなく、「少しの間、姿を消していた。そう、なぜなら連絡を取ることが安全ではなかったからだ」と説明。

「米国人らのアフガニスタンからの退避を手助けしようとしていたか? その通りだ。このミッションは継続しているのか? その通りだ」と記している。

先の報道担当者はまた、マリン議員とその議員事務所が「バイデン大統領が放棄した戦争地帯から、全ての米国人を帰還させるため、我々は最大限やれることをやり続けている。米国民の安全は、常に彼の最優先事項だ」と説明。「現時点でさらなるコメントはない」と付け加えた。

CNNは米国務省と同議員の事務所に対し、さらなるコメントを求めた。

同省はマリン議員の訪問、もしくは在タジキスタン米国大使館とのやり取りに関するワシントン・ポスト紙へのコメントを拒否。さらに1日の記者会見でも再度コメントを拒否した。

一方で同省報道官は報道陣に対し、同省はアフガニスタンへの訪問を勧めないと明言。

「アフガニスタンへの訪問は安全ではないということを、我々は非常に明確に示して来た」「数カ月の間、さらに実際には20年以上の間、アフガニスタンへの訪問の潜在的な危険性に関する差し迫った一連の警告を、米国民に対して発してきた」と述べた。

ただワシントン・ポスト紙は、マリン議員がアフガニスタン入りを試みたのは今回で2度目だと指摘。同議員は先週、ギリシャを訪れ、米国防総省にアフガニスタン首都のカブールに入る許可を要請したものの、拒否されたとしている。

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