バイデン新大統領のルーチンは? 暖炉に薪、就寝は早めに

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米国のバイデン大統領。就任から1カ月が経過し、日々のルーチンが確立されつつある/Official White House Photo by Adam Schultz

米国のバイデン大統領。就任から1カ月が経過し、日々のルーチンが確立されつつある/Official White House Photo by Adam Schultz

(CNN) バイデン米大統領にとって就任後の日々のルーチンは、他の多くの前任者よりも、なじむのは容易だったようだ。

今月、大統領として初めて自身の専用機「エアフォースワン」に乗ったときも感慨にふける時間は長くなかった。地元のデラウェア州に週末帰るためのたった25分の搭乗だったが、高級官僚と軍人が同時に搭乗する雰囲気もよく知っていた。副大統領専用機「エアフォースツー」で100万マイル以上飛んだ経験があるからだ。

バイデン氏は疲れた通勤客のように大半の時間を新聞を読んで過ごした。記者団から初搭乗の感想を尋ねられると、「非常に栄誉だ。だがそれについてあまり考えていないというのが本当のところだ」と語った。

シークレットサービス(大統領警護隊)の集団が付き添い、国家機密に関する日々の報告を受け、いつでも記者団が付きまとうなど、大統領特有の日常が始まっている。

バイデン氏は決まったスケジュールを確立。朝はファーストレディーとコーヒーを飲み、午前9時過ぎに大統領執務室から会議や電話連絡を始める。午後7時までには住居部分に戻り、バインダーや紙のフォルダーを片腕に抱えて帰る様子が目撃されている。オフィスには茶色の革製のブリーフケースを持ち込んでいる。

自分のやり方を確立

1月21日に行われた大統領就任式の様子/Pool/Getty Images North America/Getty Images
1月21日に行われた大統領就任式の様子/Pool/Getty Images North America/Getty Images

夜遅くまで報告書を読んでいたオバマ元大統領やテレビを見ていたトランプ前大統領と異なり、バイデン氏は早く就寝する傾向にある。市民からの手紙を読む伝統も引き継ぎ、夕方、住居部分に戻る際には報告資料にいくつかの手紙をはさんで持ち帰る。最近は新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)に関する内容が多く、バイデン氏はビデオ会議を利用して企業のオーナーや一時解雇され経済的に苦しい労働者から話を聞いたりもしている。

ホワイトハウス内の他のオフィスをサプライズ訪問することもある。スタッフに仕事内容を尋ね、新型コロナウイルスの対策プランに関する問題を相談するなどしている。

旧知の上院議員に新たな仕事場を紹介することも忘れていない。就任後の3週間で上院議員の3分の1近くを招き入れ、コロナ対策や新たなインフラ整備の施策で会話を交わした。

一挙手一投足を見つめる記者団にもまだ嫌な顔をしていない。記者から大きな声で質問を投げかけられても、オバマ氏より応じようとする意思が見られる。ホワイトハウスは他のことに集中していると説明していた前任者の弾劾(だんがい)訴追の話であってもだ。

米国の最高レベルの諜報(ちょうほう)に関する最新状況がまとめられた大統領日報も、日々報告が行われる状況に戻った。トランプ政権下では散発的にしか行われなかった。ハリス副大統領も参加して、様々な情報機関のプロが説明を行う。ハリス副大統領はオバマ氏と同様にタブレット端末のiPadで報告を受けている。

大統領執務室の暖炉の火もお気に入りだ。時々自分でも薪をくべて、火を絶やさないようにしている。バイデン氏とともにホワイトハウス入りしたジャーマンシェパードのメジャーとチャンプの2匹の犬も、時折一緒に時間を過ごすことがある。

より計画的で決まったスケジュールに

大統領令に署名するバイデン大統領=1月20日/Chip Somodevilla/Getty Images
大統領令に署名するバイデン大統領=1月20日/Chip Somodevilla/Getty Images

バイデン氏のスケジュールはトランプ氏よりもはっきりしている。トランプ氏の側近は同氏がテレビ視聴や電話をする時間を確保できるよう執務時間を制限していた。バイデン氏の会議は予定よりやや長くなる傾向にあるものの、より習慣化されている。大統領執務室の扉は誰にでも開かれている様子ではない。トランプ政権下では時々そのような状況にあった。

スタッフ間の会議は平日は毎日朝8時前から始まる。新型コロナ感染の予防措置のため執務室のある西棟のスタッフの数は少なく、ビデオ会議と直接会う会議を併用している。トランプ政権の終わりには、新政権のために机の上にカメラも設置された。

バイデン氏が閣僚や当局者と直接面会できないときは、大統領執務室に大きなスクリーンが運び入れられる。ブティジェッジ運輸長官は新型コロナ陽性反応者との濃厚接触で隔離期間中だが、画面を通して会議を行った。

このスクリーンは厚生当局者がコロナの流行状況を説明する際に、図やデータを表示するのにも使用される。

バイデン氏は週末にはミサへの参加を続けている。ワシントンや地元デラウェアの教会に出向く時間は、大統領が週に少なくとも1時間普通の生活に戻れる瞬間だと側近は明かす。帰りがけにはバーゲルの店に立ち寄ることもあり、コロナの流行が終わればバイデン夫妻はワシントンのレストランにもっと頻繁に通うことになるだろう。

バイデン夫妻はその親密さを隠さない。この数十年間で子どもがホワイトハウスに住まないのは初めてで、約5100平米の住まいに2人で過ごすことになる。最近はバイデン氏が大統領専用ヘリ「マリーンワン」に初搭乗する際、キスを交わすシーンが見られた。

ワシントン郊外の大統領山荘「キャンプデービッド」も、バイデン氏は副大統領時代に慣れ親しんでいる。初めて大統領として訪れる前には「家族とともにのんびり過ごす」と述べ、ロッジの一つの内部にあるゲームセンターで孫とマリオカートで遊ぶつもりだと明かした。

大統領の生活について勝手知ったるバイデン氏でも、最高位の職位に上ったことでアップグレードされている部分に気付いた。

「副大統領と同じ飛行機だが、内部の様子はだいぶ素敵だね」とエアフォースワンへの初搭乗後に語った。デラウェアの空港は滑走路が短いため、この日のエアフォースワンはボーイング747より小さいジェット機だった。

エアフォースワンとして象徴的な機体である軍用タイプのボーイング747は、先週のミルウォーキーでのCNN主催の対話集会の際に初めて利用した。

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