トランプ氏、市民に対する「不当な」差別主義者扱いに警鐘
ワシントン(CNN) トランプ米大統領は11日、テキサス州ダラスで行われたイベントで、多くのまっとうな米国民に対し「人種差別主義者あるいは偏狭な思想の持主」といったレッテルを張るのは不当だとの見解を示した。
このイベントは宗教指導者、法執行機関の代表者、中小企業経営者、トランプ政権の高官などが参加した討論会で、医療健康や経済状況、司法システムにおける不平等をテーマに意見が交わされた。
この中でトランプ氏は、狭量さや偏見といった問題に協力して立ち向かわなくてはならないとしながらも、「多くのまっとうな米国民に対し人種差別主義者あるいは偏狭な思想の持主といった不当なレッテル張りを行ったところで事態は進展せず、人々の傷がいえることはないだろう」と語った。また「米国民は善良で高潔な人々だ」とも主張した。
米国では黒人男性が警官に押さえつけられて死亡した事件に端を発する抗議デモが各地で発生。人種間の不公正を糾弾する動きが広がっている。
これまでトランプ氏は平和的なデモの参加者に共感を示す一方で、人種に根差す憎悪をあおるような姿勢も見せてきた。一部の参加者を「悪党」と呼んだり、略奪行為の「制圧」のため軍隊を派遣すると迫ったことなどがこれに当たる。
11日のイベントでは警官隊による抗議デモへの対応を繰り返し称賛したものの、黒人に対する警官の暴力の問題については発言しなかった。そのうえで人種間の和解に向けた自らの取り組みは「迅速かつ容易に」進んでいくとの考えを示唆した。
会場に集まった聴衆の一部には、密集して席につく様子がみられた。テキサス州は最近、新型コロナウイルスの感染拡大が始まって以降、関連する入院患者が最も多い州となっているが、聴衆の多くはマスクを着用していなかった。