パウエル元国務長官、トランプ大統領は憲法から「逸脱」
ワシントン(CNN) コリン・パウエル元米国務長官は7日、ドナルド・トランプ米大統領は憲法から逸脱しているとの見方を示した。黒人男性死亡事件をめぐるトランプ大統領の対応について、元軍幹部から非難の声が出ているが、パウエル氏も批判の列に加わった形だ。
パウエル氏はCNNの番組に出演し、「我々には憲法がある。そして、我々は憲法に従わなくてはならない。そして、大統領はそこから逸脱した」と述べた。パウエル氏は退役陸軍大将で、ブッシュ政権時代に国務長官を務めた。パウエル氏はまた米軍制服組トップの統合参謀本部議長ともなったがこれは黒人初だった。
ミネソタ州ミネアポリスで白人警官に押さえつけられて黒人男性のジョージ・フロイドさんが死亡した事件をめぐり抗議デモが行われている。デモに対するトランプ氏の強硬な姿勢に対しては、元当局者から批判の声が出ている。
パウエル氏は、多くの元軍幹部や外交官からトランプ大統領の対応への指摘が出ていることについて誇りに思うと語った。自分自身がトランプ氏を非難する声明を公開していないことについては、2016年の大統領選でトランプ氏に反対票を投じたことで不満を表明したと感じているからだと付け加えた。
パウエル氏は11月に行われる大統領選では民主党から出馬するとみられているジョー・バイデン前副大統領に投票する考えを明らかにした。
パウエル氏は、バイデン氏と社会問題や政治問題で近しい関係にあり、35年から40年にわたってともに働いてきたと指摘。「私はバイデン氏に投票する」と明言した。