新型コロナウイルス流行、あと2年続く可能性も 米専門家予想
報告書ではCOVID―19について、パンデミックを引き起こしたインフルエンザウイルス株に最も近いと指摘、「潜伏期間が長く、無症状による感染が多く、感染力も強いため、COVID―19はインフルエンザより感染しやすいと思われる」とした。
「感染力が強いということは、パンデミックが終わるまでにもっと多くの人が感染して免疫を獲得する必要があるということだ」「直近のインフルエンザのパンデミックに基づくと、この流行は18~24カ月続くだろう」(報告書)
政府当局者に対しては、パンデミックが終わると国民に告げることはやめ、長期戦への備えを呼びかけるよう促した。
今後の状況については3つの筋書きを想定している。
シナリオ1:2020年春の第1波に続き、この夏から1~2年間の間に小規模な波が繰り返され、2021年に徐々に終息する
シナリオ2:第1波に続いて、この秋から冬にかけてさらに大規模な流行の波が発生し、2021年には規模が小さくなった波が1回あるいは数回発生する。そうなった場合、感染の拡大を防いで医療態勢の逼迫(ひっぱく)を回避するため、この秋に再度の対策が必要になる。「このパターンは1918~19年のパンデミックに似ている」
シナリオ3:現在進行中の流行がジワジワと続き、感染者や死者が出る状態が続く
専門家チームは各州や自治体に対し、第2のシナリオを想定して計画を立てるよう勧告。オスターホルム所長らは、多くの州が感染拡大防止のための規制を解除していることに驚いたと話し、「これは人命が犠牲になりかねない実験だ」と危惧する。
報告書では、ワクチンは助けになる可能性はあるとしながらも、「ワクチンが実用化されるのは早くても2021年になる」との見通しを示した。